りきる徒然草。

のんびり。ゆっくり。
「なるようになるさ」で生きてる男の徒然日記。

All Flower In Time

2011-01-11 | Weblog
昨夜、佐野元春のライブに行って来た。
デビュー30周年記念のライブツアーだ。

「All Flower In Time」

これが今回のライブツアーのタイトル。
ステージで演奏された曲は、まさにツアータイトルどおり「ベスト・オブ・佐野元春」。
もう代表曲ばかり怒涛のオンパレード
しかもそれらの曲がデビューの1980年を起点に、1曲目からほぼ時間軸に沿って演奏
されるので、否応にも当時のことを走馬灯のように思い出してしまう。

イントロが流れる度に、
「この頃は、○○ちゃんが好きだったけど、結局片想いで終わったなぁ」とか、
「この頃は、高校受験で頭がいっぱいだったなぁ」とか、
「この頃は、ろくに大学に顔を出さずに遊び呆けてたなぁ」とか、
「この頃は、社会に出たばかりで、とにかく仕事仕事の毎日だったなぁ」とか、
「この頃は、2人目の子どもが生まれて、カミさんとよく喧嘩してたなぁ」とか・・・。

・・・そう考えてみると、僕はもう佐野元春の歌と、人生の3/4近くを共に生きてきた
ことになる。

長いよなぁ~。あっという間だったけど。

初めて僕が佐野元春のライブを見たのは15歳の頃だった。
あの頃の佐野さんは、ステージを縦横無尽に駆けまわり、歌うというよりは
叫んでいると表現した方がいいような、そんなボーカルスタイルだった。
しかしあれから25年後の佐野さんは、仁王立ちのようにマイクスタンドの前に立ち、
髪は白髪が増えてシルバーウルフのような銀髪になり、そして悲しいけど、
昔のように声も出なくなった。

でも、それは僕も同じだ。

15才のくせに背伸びをして全然似合わないジャケットを着て、足元は降ろしたての
コンバースを穿いて初めての佐野さんのライブ会場に向かった僕は、その25年後、
頭が薄くなり、ちょっと中年太りもはじまって、長い時間の立ちっぱなしを案じて、
事前に腰に湿布を貼って会場に向かった。

「つまらない大人になりたくない」

このあまりにも有名な佐野元春の代名詞のような言葉を、金科玉条のように掲げて
10代を過ごした僕も、今ではもう360°どこから見てもオジサンになってしまったのだ。

でも。

佐野元春のすべての曲に貫かれているテーマ「いつか、きっと」という気持ちだけは
決して捨てたくない。
それが無くなった時、人は本当の意味でオジサン、オバサンになってしまう気がする。

本編が終わり、アンコールも終わった最後の最後、バックバンドのメンバーとともに
ステージに並んだ佐野さんはこう言った。

「音楽への情熱が続く限り、僕は音楽を作り続けてゆきます」

ありきたりの言葉かもしれないけど、本当にいい言葉だと思った。
僕は、佐野元春やバンドのメンバーはもちろん、その言葉に対して惜しみない拍手を送った。
コメント
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