昨日はシューズに関する革新的技術について書きましたが、今日は東京モーターショー開催中ということで、車に関する革新的技術のお話。
学生時代にインターンシップで同じ研究室の友人はトヨタ自動車へ
教授がトヨタ出身ということで、代々成績優秀者は同社へいくことになっています(落ちこぼれの自分はトヨタへは行けずに総合電機メーカーへ)。
友人はフロントピラー(Aピラーともいう、フロントガラス両端の支柱のこと)の強度を維持しつつ視界確保のため細くする研究をしてきたとのことで、得られた成果は何年後かに製品に反映されると報告会で発表していました。
もちろん、特許等の関係で詳細は伏せられていました。
時は移り現代でもフロントピラーは高張力鋼を溶接や構造用接着剤を使って箱型断面形状として強度を確保するのが一般的です。
強度を求められている一方で、視界確保のためできるだけ細くという要件は今も変わりません。
フロントボンネットの大きな大型車では衝突時に頭部はボンネット上にぶつかる
確率が高く、柔構造のボンネットで衝撃を吸収することで、死亡率は低くなるのだそうです。
一方で、小型車は頭部がフロントウィンドーにぶつかる確率が上がり、強度の高いフロントピラーに頭部がぶつかった場合は死にいたる事例が多くなるのだそうです。
そんな問題を解決するかもしれない技術として注目できる技術(6月に発表)が、帝人のポリカーボネート製樹脂ピラー一体型のフロントウィンドーです。
https://www.teijin.co.jp/news/2017/jbd170619_48.html
端部まで透明で、射出成型時に強度が必要な部分は厚くし、不要な部分は薄くすることで、ガラス製に比較して36%の質量減、約6.6kgの重量減が実現できるとのことです。
そもそもポリカーボネートは透明性が高いうえガラスの半分の重量で、200倍の耐衝撃性を持つ、ヘルメットのシールドや射撃用サングラスにも使われる素材です。
これなら視界を確保しつつ強度も維持し、いざというときは樹脂ならでは弾力で歩行者を保護できるというわけです。
この技術で、自動車ウィンドーは「ガラス」という常識が覆るかもしれません。