大橋むつおのブログ

思いつくままに、日々の思いを。出来た作品のテスト配信などをやっています。

魔法少女マヂカ・092『M資金・24 ハートの女王・5』

2019-10-29 12:53:05 | 小説

魔法少女マヂカ・092  

『M資金・24 ハートの女王・5』語り手:ブリンダ 

 

 

 たとえ国会議員でも牛を通すわけにはいかないのだ!

 

 護送車が宮殿の前に着くと、大きな黒熊の帽子に赤い制服、袖にぶっとい金筋の入った衛兵長が通せんぼをする。

 オレの胸の谷間に収まっているマヂカを見咎めたのだ。マヂカはロデオから牛女の姿になったままだ。

「女王陛下と議会の要請なのだ」

 ビーフィーターのキャロラインが詰め寄るが、衛兵長はウンとは言わない。

「我が国は法治国家なのだ、君主も議会も法を違える決定はできないのだ。どうしても通りたければ法を改正せよ!」

「その法を改正するには議会を開かなければならないが、議会の人質が宮殿に収まらなければ、開けないんだぞ!」

「それは小官が関知するところではない。とにかく法を守れ! 法こそが世界の柱、法こそが国の根幹なのだ! 法こそが!」

「ホーホーと間抜けなフクロウのように言わないでいただきたい! そんなだから、旧法に拘泥するあまり、いまだに宮殿には電気も通わないではないか! エアコンどころか、電気ストーブも使えないから、お互い真っ赤っかの制服で誤魔化しているのではないか!」

「あ、それはチューダー朝からの秘密……んなことはいいのだ、昨日の法改正で宮殿にも、この夕方から電気が点くのだ!」

「え!?」

 すると、ちょうど時間になったのだろう、宮殿の内外に一斉にLEDやら蛍光灯やらが灯り始めた。

「ずっと辛抱していたが、その甲斐あって、誰を憚ることもなく電気が使える。法治主義のありがたみだ! だから、おまえたちも法律が改正されるのを待って出直してこい!」

「いや、だから、人質が入らなければ議会が開けない!」

 面白いことになってきた。マヂカとニヤニヤしていると、一人の衛兵が衛兵長に耳打ちした。

「なになに……そうか、なかなか良いことを言う、ハリー伍長。では、おまえに任せる」

 衛兵長はハリー伍長の肩を叩くと、鷹揚に門の中に帰って行った。

「警衛中に事故者や病人を発見した場合は、衛兵は救急措置をとることになっているんです」

 ハリー伍長は、目深に被った毛皮帽の下から眼鏡越しに優しい瞳を向けてきた。

「どういうことなのだ?」

「胸の谷間に挟まれている人は病気です」

「え、マヂカ、病気だったのか?」

「え、いや、特には、そんなことより……」

「いえ、病気です。人牛合体病、至急に直さなければ」

「そうか、ハリーの言う通りだ!」

 キャロラインまで調子に乗り出した。

「ハリーは魔法学校を出ているんだ、マヂカの牛女を解除すれば宮殿に入れる!」

「そういうことか!」

「それじゃ、頼む。ブリンダの胸にも飽きてきたからね」

「オレもとっくに飽きてるわ!」

「じゃ、始めます」

 

 真面目な顔になったハリー伍長は両手をかざすと、ゆっくりと呪文を唱え始めた。秘伝の呪文なので呪文そのものを書くわけにはいかないが、すぐに体が暖まり、周囲の空気までホワホワとして、一瞬、炸裂した打ち上げ花火の真ん中にいるようになった。

 すると、マヂカと牛が分離して、身の丈も元に戻った。牛も「モーーー」と声をあげるとポクポクと歩き去っていった。

「おう、議会の人質の到着か、待ちくたびれていた、急いで宮殿内に収監するぞ!」

 衛兵長が、初めて気が付いたように部下に命じた。

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真夏ダイアリー・54『二人のミリー』

2019-10-29 07:16:13 | 真夏ダイアリー
真夏ダイアリー・54
『二人のミリー』     


 
 
 
「誰よ、あなた……!?」



 本物がスゴミのある笑顔で詰問した。瞬間の動揺、やつはテレポしてしまった……。

 わたしは一瞬、省吾のあとを追ってテレポートしようと思った。
 しかし、同時にジェシカが壁に掛けてあるライフルを持って銃口を向けてきた。

 選択肢は二つだ。ジェシカと本物のミリーの心臓を止めてしまうこと。これなら秘密を知る人間はいなくなる。でも、あまりにも残酷だ。
 もう一つは、本当のことを話して二人を味方にしてしまうこと。
 テレポ-トして、この場から逃げる手もあったけど、ジェシカの銃の腕から、無事にテレポートできる確率は1/4ほどでしかない。わたしは両手を挙げて、第二の選択肢を選んだ。

「分かった、わけを話すから、銃を降ろしてくれない」
「だめ、わけが分かるまでは、油断はしない……」 
 そう言いながら、ジェシカは、わたしの背後に回った。
「あなた、いったい誰? わたしには双子の姉妹なんかいないわよ」
「わたしは、未来から来たの。この戦争を終わらせるために」
「ウソよ、そんなオーソン・ウェルズの『宇宙戦争』じゃあるまいし」
「じゃ、どうして、わたしはミリーにソックリなのかしら?」
「変装に決まってるじゃない。ハリウッドのテクニックなら、それぐらいのことはやるわよ」
「側まで来てよく見てよ」
 ミリーの足が半歩近づいた。
「だめよミリー、側に寄ったら何をするか分からないわよ!」
 ミリーは、サイドテーブルの上の双眼鏡を手にとって、わたしを眺めた。そして壁の鏡に写る自分の姿と見比べた。
「……信じられない。ソバカスの位置と数までいっしょ……ワンピースのギンガムチェックの柄の縫い合わせも同じ」
「よかったら、わたしの手のひらも見て。指紋もいっしょだから」
「……うそ……信じられない」
 ジェシカは、銃口でわたしの髪をすくい上げた。
「……小学校の時の傷も同じ」
「そう、トニーとミリーが、あんまり仲良くしてるもんだから、ジェシカ、石ころ投げたのよね」
「当てるつもりは無かった……それって、わたしとミリーだけの秘密。トニーだって知らないわよ!?」
 銃を持つミリーの手に力が入った。
「あ、興奮して引き金ひかないでね……で、分かってもらえた?」
「ミリーとそっくりだってことはね。ミリー、ハンカチを自分の手首に巻いて。区別がつかなくなる」
 ミリーが急いでハンカチを巻いた。ジェシカは、わたしのポケットの同じハンカチを取り上げた。



 窓の外でレシプロ飛行機の爆音がした。


 ジェット機の音に慣れたわたしには、ひどくノドカな音に聞こえたが、ガラス越しに見える小さな三機編隊はグラマンF4F。いまが、戦時なのだということが、改めて思い起こされた。
「この戦争で、アメリカは160万の兵隊を出して、40万人の戦死者を出すわ」
「四人に一人が……」
「ジェシカ、あなたのお兄さん……この夏にアナポリスを卒業するのよね」
 わたしは、ジェシカの兄の映像を映してやった。突然暖炉の上に現れたリアルタイムの兄の姿を見て、ジェシカもミリーもビックリしていた。この程度のことは体を動かさずにやれる。これをチャンスにテレポすることもできたが、わたしは二人の信頼を勝ち得ようと思った。
「ショーン……!」
「そして、これが三年後のショーン。海兵隊の中尉になってる。で……」
 わたしは、硫黄島の戦いの映像を出した。気持ちが入りすぎて、映像は3Dになってしまったが、その変化は、ジェシカもミリーも気づかない。

 ショ-ンは、中隊を率いて岩場を前進していた。突然、数発の銃声。スイッチが切れたように倒れ込むショーン。部下達がショーンを岩陰に運ぶ。ショ-ンは頭を打ち抜かれ即死していた。

「ショーン!」
「……どう、こんなバカげた戦争、止めようとは思わない?」
「これ……ほんとうに起こるの?」
「あなたたちには未来だけど、わたしには過去。なにもしなければ、40万人のアメリカの若者が死ぬ。ショーンも、その中の一人になる」
「トニーは。いったいなにを……?」
「いっしょよ。戦争を終わらせようとしている。ただ、やり方が乱暴なの。で、わたしは、それを止めさせるために来たの。急場のことで、ミリーのコピーをアバターにせざるを得なかったけど」

 わたしは、この時、まだ、わたしの本来の任務を理解していなかった。
 ただ戦争を止めさせ、未来を変えることだけだと思っていた。
 未来は、そんなに甘いものではない。それに気づくのには、まだ少し時間が必要だった……。
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まどか乃木坂学院高校演劇部物語・19『スカートひらり!』

2019-10-29 07:05:26 | はるか 真田山学院高校演劇部物語
まどか 乃木坂学院高校演劇部物語・19   
『スカートひらり!』 

 
 
 スカートひらり ひるがえし……愛に向かっていたわけではない。

 小学校から元気だけが取り柄のわたし、ひいじいちゃんのお葬式で忌引きになった以外、無遅刻、無欠席。まあ家業が零細鉄工所、従業員もゲンちゃんとマサちゃんが辞めて、柳井のオイチャン一人になっちゃったけど。日々の生活と仕事のリズムに狂いはなく、わたしも自然と身に付いた生活習慣。

 それが今日に限って……それだけ昨日のコンクールは身に応えた……と、こぼしたら、

「てめえの甲斐性でやってるクラブだろ。言い訳にすんじゃねえ!」
 
 オヤジにに叱られた。
 
 だから、家の玄関から地下鉄の車中を除いて、わたしのスカートはひるがえりっぱなし。
 わたし乃木坂って好きだけど、この時ばかりは恨んだわよ。乃木神社を横目に坂道を三百メートル……五十秒でいかなきゃ、無慈悲にも正門は閉められ、脇の潜り戸。くぐったとこで、生活指導の先生の「待ってました」とばかりのお説教受けて、入室許可書もらって、授業中の教室にスゴスゴと入って……痛いみんなの視線。で、一時間目の先生に出席簿に/の線をいれられて、痛ましく×(遅刻のシルシ)となる。

 だいたい乃木高って、お行儀いいから、遅刻って日に一人か二人。たまに常習の子がいて、年度末には消えていなくなる……。
 わたしも転落の第一歩……かな。明くる日からは、汗と油にまみれて、慣れない手つきで溶接なんかやらされる。そのたんびに失敗ばかりやってオヤジに叱られて、さっさと大学いって公務員の道まっしぐらの兄貴。兄貴はまめな性格とアンニュイな表情がアンバランスなんだけど、なぜかモテんのよね。で、さっさと結婚。相手は、今の彼女の香里さんか……。
 行き着く先は行かず後家の小姑……香里さんとは相性わるそうなのよね。こないだもデートのダシに使われて、いっしょにホテルのケ-キバイキング。伸ばした手の先に、ナントカいうスィーツ。
 一瞬目が合っちゃって、わたしったらニッコリ笑って取っちゃった。
 恨んでんだろうなあ……こんなことなら、オクユカシく譲っておくべきだった……。
 われながら、五十秒の間に、これだけ妄想できるもんだ……門だ。今まさに正門が閉じられようときしみ軋みはじめた!

 ガチャンと音がして、わたしの背後で正門が閉じられた。

 やったー、セーフ! 
 
 と、その横をわたしといっしょにスカートひらりとはためかせ、正門をくぐってきた人がいる……マリ先生だ!
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宇宙戦艦三笠・45[小惑星ピレウス・2]

2019-10-29 06:40:30 | 小説6
宇宙戦艦三笠・45
[小惑星ピレウス・2] 


 
「間もなく完全惑星直列。一時間でピレウスに着けば、見つかる可能性はほとんどないわ」

 修一は、完全に惑星が直列になるのを待っていた。それが今、グリンヘルド、ピレウス、シュトルハーヘンの三ツ星が串刺し団子のように一列になりかけている。一番発見されにくい瞬間だ。
 
「最大戦速で10分。あとは慣性速度でピレウスに到達」
「周回軌道に入ったら発見されてしまうわ」
「周回軌道は1/6周で、ピレウス火山風上の森の中に着陸」
「針の穴に馬を通すようなものね」
「樟葉の腕を信じてるよ……」
「横須賀に帰ったら、ホテルのスィーツバイキングおごりね……クレア、目的地までアナログでいくから」
「大丈夫……?」
「デジタルのオートだと、0・005秒惑星直列から外れる。発見される恐れがあるわ。トシ、出力は最大戦速9分45秒。それ以上だと、エネルギー残滓を検知される。いいわね」
「分かりました。タイミングだけはきっちり教えてください」
 トシは、死んだ妹を思った。自分が気づいてやるタイミングが、もう少し早ければ、妹は死なずにすんだ……。
「発進まで10秒……」
 ブリッジの全員がデジタルカウンターを見た。5秒でトシは目をつぶり、カウンターではなく樟葉の呼吸に集中した。これに成功すれば、妹が生き返る……そんな妄想が頭を占めた。
「5……4……3……2……今!」

 三笠のクルーの心が一つになった。完全なタイミングで三笠は発進した。

「……うまくいきました。三笠の発進エネルギーの残滓は探知レベル以下、着地点は目標から30メートルずれただけです。デジタルでも、ここまで正確にはいきません!」
 クレアが感動の声をあげた。偶然であるが、目標地点は地面の傾斜角が30度もあり、そこに着地していれば三笠は転覆していたかもしれない。ブリッジの窓から見える風景は、地球で言うカンブリア紀のようで、周囲の木々の高さは十分に三笠を隠していた。
 
 そのまま三日が過ぎた。
 なんの変化もなかった。

 ピレウスの森は原始のジャングルのように鬱蒼としていたが、予想していた生物反応は無かった。外からの観察では人類以外の生物の反応があったのだ。そして、植物系以外の生命反応は無い。
「三笠にも、みんなにも劣化や老化の兆候がありません……」
 トシが、首を捻りながら呟いた。
「三笠にバリアーが張ってあるからじゃないの」
「この程度のバリアーなら、ピレウスの滅んだ文明にもあったと思います。このジャングルの下にはピレウス古代文明の軍事基地の残滓があります。ジャングルに覆われているので比較的劣化が遅いので、技術レベルが分かります」
 クレアが、三笠の下の軍事基地の残滓をモニターに写した。残滓からでもかなり進んだ文明の様子が読み取れた。

「火山の方角から生命反応……微弱だけれど……人間よ!」

 その人間は、ピレウス火山を背に、ゆっくりと三笠に近づいてきた……。
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小悪魔マユの魔法日記・78『期間限定の恋人・10』

2019-10-29 06:27:34 | 小説5
小悪魔マユの魔法日記・78
『期間限定の恋人・10』     



「道に迷ったな、この先進入禁止。大通りに出て、やっぱりタクシーにしよう」
 
 黒羽はディレクターの顔になって、道を戻り始めた……。

 店にもどると、お母さんが、なにか言いたげ聞きたげだったけど、すぐにHIKARIプロの事務所の会長室に向かった。
 ノックをしたが返事は返ってこない。
「失礼しま~す……」
 会長室に人の気配はなかったが、モニターが降りていたので、コントローラーを手にとって起動ボタンを押す。メニュー画面が出てくる。ユーザー名の下に「MITSURU」と「MIYU」が出てくるので、迷わず「MIYU」選ぶ。設定・フォト・ミュ-ジック・ビデオとメニューが並び、ビデオの下に「スタジオカメラ」が出てきた。
 〇ボタンを押すと、ブースから見たスタジオの全景が見える。右のスティックでカメラが上下左右に、左スティックでカメラが移動する。不用意に動かすとダンスレッスン中のメンバーの子のお尻にピントが合ってしまった。慌てて右スティックを押し込むとオートフォローになり、カメラの方向を変えてもカメラはその子のお尻を追いかけたままになる。
 ×ボタンを押すと、メンバーは替わるが同じお尻。
「もう、こんなのじゃなくって……」
「R1ボタン」
「R1……」
 声に従ってR1ボタンを押すと胸のアップ……!?
「それ、服部八重。イイカタチしてんだろう」
 
 ワッ!
 
 そこで気づいた。いつの間にか、会長が後ろに立っている。
「もう、会長さん、こんなことして喜んでるんですか!?」
「そりゃ、美優ちゃんが勝手に操作した結果だよ。まあ、そんな顔しないで、△ボタンで、メニューを呼んで……そう。で、操作クラシック……ね、それでカメラがアナログで動かせるだろう」
 しばらくカメラを動かしていると慣れてきた。
 改めて全景にすると、メンバーやスタッフの熱が伝わってくる。

 ――特急電車、準急停車と間違えて、ボクはホームで吹き飛ばされた。
 二回転ショック!ショック!
 手にした花束、コスモストルネード!――

 歌詞に沿って、旋回二回転……したところで、振り付けの春まゆみの声が飛ぶ。
「堀部え、あんた切れはいいんだけど力みすぎ。敵討ちじゃないんだからね。小野寺あんたドヤ顔しない。みんな全体にカタイよ。急に強い風に吹かれて、ビックリ、そして、ちょい困り顔のモエ~って一瞬だよ。あとは、パンチと切れ。萌だけじゃ、オモクロには勝てないからね。はい、もう一度サビの前から」
「はい!」
 と、みんなで返事をして、また延々とレッスンは続く。そしていつしかカメラは、後ろでヘッドセット付けた黒羽に固定された。
 軽くリズムに乗りながら、黒羽は前面の鏡に映るメンバーのカメラ写りをチェック。時々立ち位置を変えて観客のあらゆる視点を試していく。そしてモニターに映るメンバーのカメラ写りもチェック。そして常に黒羽の横に付いている専属ADに指示を与えていく。
 美優は、もっと真剣な顔をした黒羽を想像していたが、なんだか文化祭の前日に出し物の準備をしているヤリタガリの男の子のような無邪気さだった。
「意外かい?」
 それを見透かしたように、会長はエビせんべいを差し出した。一枚いただくと意外においしかった。
「もっと真剣な顔してやってるかと思いました……」
「真剣だよ。真剣に遊んでんの。そりゃ、歌や振りを最初に覚えるときは真剣一本だけどね。覚えちゃったら遊ぶ。オレたちエンタメは観てる人に楽しんでもらってナンボだからね。いかにステキに遊べるか、それを黒羽は探ってんの」

 そういう会長も嬉しそう。エビせんべいをかじっている、その姿はガキ大将。
 そのガキ大将といっしょに、美優は日が傾くまでモニターに釘付けだった。

 マユは、美優の中にいて、美優の心が少しずつ変化していっているように感じた。
 美優の命は、あと6日と4時間になっていた……。
 
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