もう3年くらい前の話になる。 確か暑い8月の終わりごろだと思う。神戸に有る竹中道具館に行った。 そこで鎌蟻継の実演がありそれを見学する為だった。蟻継の仕口は大型の突き鑿で作っていた。 その鑿の大きさと正確な作業に仰天した物だ。 作業を見ていた見学者の中に 高田氏が居た。 眼鏡のおじいさんと言う感じで 気さくな人だった。 色々話したが 今日の実演で使った鑿は私が作ったと言う。 聞いてみると特殊刃物製造販売をしてるそうだ。 今は制作はやらずもっぱら営業をしていると言っていた。参考に名刺を頂いた。私も特注で刃物を作ってもらう程の腕も能力も無いが 何か有れば連絡して見ようと思う。
6月13日 午後伊勢原に有るある工場の庭に1台のマイクロバスがやって来た。中から初老の老人が出て来て 車の廻りに刃物全般を並べる。所謂出張販売車だ。平出商店はオンラインショップも有る会社だ。新潟県燕市の有る金物問屋だろうか。 工場の職人は色々買っているので、私もつられて 達磨玄能の頭と刃物角度測定定規を買ってしまった。 見ていると楽しいが さりとて新品の刃物はとても高くてそうそう手が出ない。 これで金が稼げる人は買うのだろう。 参考に名刺を載せておこう。
同じく三木の刃物展示会で押挽鋸を一丁購入した。これは遊びで鉋台を自分で作る時に、刃の入る溝を作る為に使うからだ。中年の職人は伝統工芸士 光川大造と言い 三代目になるそうだ。 東京で関西で作られる鋸を買うには初めての経験だ。今回は販売が目的では無いそうで、後で送ると言っていた。 道具全般の修理もやりますと言うので、胴付鋸の目立てを頼もうかと思う。
6月14日 横浜石川町横浜技能文化会館で三木刃物展示会が有ると言うので行ってみた。 そこで鑿の柄付けを行う職人に会った。 職人安平氏は実際に柄付けを実演して見せた。 それは私の参考になった。柄は白樫では無く 所謂牛殺しと言われる木を使っていた。 鑿本体と柄が一体となって 力が鑿の刃先に集中するように曲がり無く仕込まねばならない。 そこが難しい所だろう。大した道具も無く柄付けを行っていた。そこが職人の技術と言う物か。