LIVRE OBJIET後からの試作Ⅲ
上下二つの物は一見合致しそうであるが重なる点に一致を見ない。並置されたことで関係性を問うが質的な疑似より外に決定的な関係性は見いだせない。見いだせないことを意図したものであり、不連続の形態である。
球体(半円形)は自然を模した人工の球体であり、打たれた鋲は人の叡智の痕跡である。それを吊るすらしい円筒との関連…支える点が不在ということは、何を意味しているんだろう。
支える点の不在、それが宙に浮くという現象は・・・まさしく地球の存在であり、宇宙の神秘に通じる。しずく型のものは雨粒だろうか。
この提示は不条理そのものである、存在の成り立ち(歴史)や不明の解明は、不明をもって答えるしか術がない。
端的に合致できない不明な空間を物量をもって置換する試み、水や空気を硬い固形物(鉄・金属)と捉える発想は、すべてを元素に還元する作業が必須である。
(写真は神奈川県立近代美術館〔若林奮『飛葉と振動』展・図録より
風景
雲はたよりないカルボン酸
さくらは咲いて日にひかり
また風が来てくさを吹けば
截られたたらの木もふるふ
さつきはすなつちに厩肥をまぶし
(いま青ガラスの模型の底になつてゐる)
ひばりのダムダム弾がいきなりそらに飛びだせば
風は青い喪神をふき
黄金の草 ゆするゆする
雲はたよりないカルボン酸
さくらが日に当たるのはゐなか風だ
☆運(めぐる)太陽を査(明らかにする)
普く記を推しはかる説(話)を黙っている。
究(つきつめる)秘(人に見せないように隠す)章(文章)の模(ありさま)は、啓(人の目を開いて理解させる)
呈(差し出す)談(話)は秘であり、普く照(あまねく光が当たる=平等)が総ての芯(中心)である
講(話)は混ぜて双(二つ)を運(めぐらせている)
太陽の化(教え導くこと)は、普(広く行き渡っている)
ゲルステッカーは、挨拶がわりにこうたずねた。
「あいかわらず村にいたのですかね」
「うん。ずっといるつもりで来たのだからな」
「こちとらの知ったことじゃないですがね」ゲルステッカーは、そういうと、ひどく咳きこんで、ほかの連中のほうをむいてしまった。
☆ゲルステッカーはたずねながら挨拶をした。「まだ村(本当の死の手前)にいたんですか」「ええ、わたしは継続して来ています」「悲しいこともありません」ゲルステッカーは慌ただしく他のほうを向いていた。