〔無題〕1-4-6
平地に続く丘陵、その麓に平地に緑に塗られた平行な溝がある。その領域は点描(穴)で括られている。
しかも同じ形態のものが並ぶという景である。
山(地層の内部)に隠された過去の歴史(社会)であり、二つの並列は近似的な社会の在り様を示し、いくつもの部族(国)が隣接して存在したという構図の簡略形ではないか。
黄色は光の当たった現在を暗示し、点描は国の領域、緑は過去(古代)の生息を暗示しているような気がする。あまりにも単純化された形は、作家の瞑想の空気感による把握ゆえかもしれない。
(写真は神奈川県立近代美術館〔若林奮『飛葉と振動』展・図録より〕
ほうこの麦の間に何を播いたんだ
すぎなだ
すぎなを麦の間作ですか
柘植さんが
ひやかしに云つてゐるやうな
そんな口調がちやんとひとり
私の中に棲んでゐる
和賀の混んだ松並木のときだつて
さうだ
☆漠(果てしなく広く)観(見て)番(かわるがわる)縛(いmしめる)
換(入れ替えて)査(しらべる)。
択(良し悪しを見てより出し)属(たのみ)、運(めぐらせている)。
懲(過ちを繰り返さないようにこらしめる)詞(言葉)を注(書き記す)
逝(人が死ぬ)話を我(わたくし)は混ぜ、照(あまねく光が当たる=平等)を蔽(見えないように)黙している。
いつも口ぐせのように、「どうしてもというのなら、是が非でも入りたいというのなら、ひとりずつ順番にしてもたいましょう」とぬかしやがる。
☆もはや必要というのなら、どうしても入りたいというのなら、というのが常であった。神の御意志ならば、一人ずつにしてもらいましょう。
(確かに、死ぬときは一人ずつ・・・死の門に立つ母なる心はそう言っているに違いない)