続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

🈞マグリット『模範例』

2019-03-06 06:33:06 | 美術ノート

   『模範例』

 傘を持った男が立っている。
 下には「座った人物」という意の文字がある。
 背景は時代を特定しな時空である。
 これらが「模範例」というタイトルの条件を満たしているという。

 立っている人物(A)に対し座っている人物(B)というコメントは(A)を否定している。AとBは対立の関係(正反対)にあるが、同じ時空(画)の中に納まっている。
 表意の形態(A)と表意文字(B)は相反しているが、同時にAはBを含みBはAを含んでいる。したがって、A~B(B~A)への動きを想起することはきわめて簡単であり、巡回の運動性は明らかに内在している。

 BはAを否定するものであるが、A~B、B~Aの動きは肯定されるべきものである。
 静止画における運動性(巡回あるいは発展)もしくは世界観の『模範例』である。


(写真は国立新美術館『マグリッㇳ』展/図録より)


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