『所有・雰囲気・振動ーゆりの樹による集中的な作業』
角柱を横にし日時計のような物を置き、掘られた空間にはゆりの樹の葉が束ねられ納められている。この物は何だろう。
時間と空間、収められた数多の葉は生命体の個々の死であり、埋葬の意ではないか。
細い線(針金)で結びつけられた円筒形の物・・・巻紙のようである。ゆりの樹は苛性ソーダによって紙に生成される(ソーダパルプ)。
木材と紙に製品化された《ゆりの樹》は、死後の再生である。人間による所有・曖昧ではあるが確かな行方、質の変換に伴う揺れ・・・それらの行程を集中的に提示してみせた仕事である。
(写真は横須賀美術館『若林奮VALLEYS』より)
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