続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

『ぬすびと』

2018-01-15 06:27:09 | 宮沢賢治

   ぬすびと

 青じろい骸骨星座のよあけがた
 凍えた泥の乱反射をわたり
 店さきにひとつ置かれた
 提婆のかめをぬすんだもの
 にはかにもその長く黒い脚をやめ
 二つの耳に二つの手をあて
 電線のオルゴールを聴く


☆照(あまねく光が当たる=平等)は、我意である。
 乞うのは償いの座(関わり合いで罪に陥る)を統(おさめること)、それに泥(こだわる)。
 覧(見わたして)判(可否を定め)赦(罪を許す)。
 展(物事を繰り広げ)千(たくさん)の体(ありさま)を罵(ののしること)の懲(過ちを繰り返さないようにこらしめること)を告げる。
 規約は普く似た字の種(たぐい)を伝え、千(たくさん)調べることである。

 

 


『城』2862。

2018-01-15 06:15:43 | カフカ覚書

フリーダが頼んでいたことは、ただひとつだけだ。それはな、手に負えなくなった、犬のように助平な助手どもから救いだしてほしいということだ。残念ながら、おれにはその願いをかなえてやる時間がなかった。そして、おれが手ぬかりをしたばっかりに、こういう結果になってしまったのだ」


☆フリーダ(平和)は、自然のままであり、卑屈に見つめる助手(脳/知覚)から解放されるようにひたすら願っている。けれど、悲しことにその願いをかなえる時間がなかった。そしてその怠慢のために今こうしているというわけだ。


70才11カ月。

2018-01-12 07:32:03 | 漫画

 乳飲み子や幼児の場合は何才何か月なんて言うけど、高齢になると事細かに何カ月などとは言わない。幼児帰りしている現今、日数を数えるのも一興ではないか・・・。
 1月3日に引いた風邪(咳)が、今日(12日)になっても止まらない。つくづく身体の衰えに抗しきれない。


若林奮『飛葉と振動Ⅱ』

2018-01-12 07:01:33 | 美術ノート

 『飛葉と振動Ⅱ』

 飛葉という言葉は初耳である。飛揚は高く舞い上がる様を言うが、飛葉は何を指しているのだろう。葉(生命の一端)が飛ぶということは、すなわち死を暗示する。
 AがBへと変移する。

 犬の頭部、身体は板の中に隠れている(沈み込んでいる)。その犬の鼻先に重ねられた層の厚い障壁が立ちはだかっており、それを振動と呼んでいる。確かに空気には音などのエネルギーによる波の発生がある。犬の発するエネルギーが空気を振動させ、それがまた犬の存在であり、方向性を示すものである。

 犬はどこへ向かっているのだろう。生きるとは進むことであり、方向性を持つものであるが、絶対的に避けられない一点は死である。生命のエネルギーは死の方向に向かって発散/消失していくものであれば、超えるべき時空の揺れは抵抗となって立ちはだかる道理ではある。
『飛葉と振動』とは生命体の持つ前(未来)に在る未知の時間と空間かもしれない。


(写真は横須賀美術館『若林奮VALLEYS』より)


『コバルト山地』

2018-01-12 06:04:07 | 宮沢賢治

   コバルト山地

 コバルト山地の氷霧のなかで
 あやしい朝の火が燃えてゐます
 毛無森のきり跡あたりの見当です
 たしかにせいしんてきの白い火が
 水より強くどしどしどしどし燃えてゐます


☆太陽の慈(愛しみ)が表(明白にする)務(つとめ)には、懲(過ちを繰り返さないようにこらしめる)化(教え導く)の念(思い)がある。
 亡(死)の貌(すがた)を審(正しいかどうか明らかにし)責(咎めるべき罪)を検(調べる)。
 道(人間として取るべき行動)を吐くのは、果(悟り)を遂げるための教(神仏のおしえ)の念である。


『城』2861。

2018-01-12 05:56:34 | カフカ覚書

「それで、きみのこわgりようが読めたぞ。こわがるにしても、なんともあさましいことだ。きみは、嘘でおれをまるめこもうとしていやがる。


☆「それで、あなたの恐怖が分かったぞ」先祖は完全に哀れな恐怖を持っていた。きみは嘘で先祖を捕らえようと企てたのだな」


若林奮『自分自身が目前の空間を測る為の模型Ⅲ』

2018-01-11 06:59:55 | 美術ノート

 『自分自身が目前の空間を測る為の模型Ⅲ』

《目前の空間を測る》などという難問を聞いたことがない。人は見えるものによってしか位置関係を測れないと信じているからで、空気が何によってできているのかを問い詰めないのと同じである。
 確かに空気は見えないが、窒素や酸素その他の複合的な成分(元素)によって成り立っている。しかし、銅板の遮蔽や均一でありながら不穏な動きをする刻み込まれた線条があるとは思えない。
 思えないが、その空気を質量をもった物に置換し、心的印象を具象化するという試みである。その向こうには犬の存在がある。
(自分のほうへ向かう犬)と(自分)との対峙、その間に流れる空気を全て物質に置き換える、世界の位相を変換させる。存在の変転…目前の空間に対する時空の変移を感じ取るという感覚(触感)の響き合いを異相の風景として提示している。
 自分自身の下半身が地下に沈み込んでいる感覚も凝視においては消失している。不思議な幻であり、超リアルな出現である。


(写真は横須賀美術館『若林奮VALLEYS』より)


『カーバイト倉庫』②

2018-01-11 06:45:53 | 宮沢賢治

   (薄明どきのみぞれにぬれたのだから
    巻烟草に一本火をつけるがいい)
 これらなつかしさの擦過は
 寒さからだけ来たのでなく
 またさびしいためからだけでもない


☆魂は迷(道が分からない)。
 観(よく見ると)隠れているものが総てである。
 逸(隠して)翻(形を変えてうつし)、化(形、性質を変えて別のものにし)、察(明らかにする)。
 化(教え導くこと)は、換(入れ替えること/取り換えること)に頼る。


『城』2860。

2018-01-11 06:30:13 | カフカ覚書

そのフリーダがあなたから救いだしてほしいといつもわたしに頼んでいたのですから、どうして親切にしてやっていけないわけがありましょう。ましてや、それによってあなたになんの害もくわえるわけではありませんからね。あなたは、あのバルナバスのところのいまいまいい娘どもとうまくやっていたじゃありませんか」


☆かのじょはわたしに自由にしてほしいと願いつづけたのですから、気に入るようにすべきで、わたしはそれに関して、いやだと思ったことは少しもありません。あのいつの間にか消えたバルナバス(北極星の至近を回るもの/門番)の姉妹をも喜ばせたじゃありませんか。