ハリックの診断即治療&虹彩と、Kenさんの経済学&スケッチ

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映画「The Iron Lady」パルシネマ(スケッチ&コメント)

2012-07-08 06:47:45 | スケッチ


映画「The Iron Lady」パルシネマ

江嵜企画代表・Ken



アカデミー賞女優、メリル・ストリ―ブ主演映画「The Iron Lady」を、神戸新開地にあるパルシネマ(078-575-7879)が7月18日まで上映していると知って、家族と出かけた。上映10分前に着いたが、まだ少し時間がある。多少あわただしかったが、映画館の様子をスケッチした。この映画館は、実はあとで分かった話であるが、40年ほど前に出来、今の館長は30年以上になる。館長のお気に入りの映画を2本、休憩15分はさんで、一般客に1200円で見せる。座席に赤と白のカバーがついている。原則、赤がご婦人、白は男性用である。満席になれば160人、リピーターが多い。映画館の雰囲気が気に入ったので、時間を見つけて、また出かけたいと思った。

画面は、認知症を患い、夫のデニス・サッチャーが既に他界したことも忘れる、鉄の女、と言われた、マーガレット・サッチャ―、英国首相のシーンから始まる。フオークランド戦争を決断するシーンも迫力満点だった。一番の場面は、政治家を目指した彼女が、下院議員選挙に落選した時、デニス・サッチヤ―が声をかけた。それがプロポーズだった。「料理や育児や掃除だけじゃなく、人生にはもっと大切なことがある。私は食器を洗って一生を送りたくはない。」と専業主婦にはならないとマーガレット・ロバーツはデニスに告げた。デニスは「だから僕は君と結婚したいんだよ」と優しく微笑むシーンである。

79年、サッチャーは、英国初の女性首相となる。しかし、支出削減政策が国民の反感を買う。アイルランドIRAによるテロ攻撃で危うく一命を取りとめるシーンが入る。直後に、アルゼンチンがフオークランド諸島に侵攻した。彼女はイギリス軍を出動させ、多くの死傷者を出すが、勝利する。嫌われ者だったサッチャーが、国民的英雄となる。しかし、人気は長続きしなかった。経済も回復、3選を果たした勢いで、個人の収入関係なしに取る「人頭税」が命取りになり、引退を余儀なくされる。

今はいない夫、デニスのスーツを整理しながら、「デニス、あなたは、幸せだった?」とつぶやく。亡霊のデニスが微笑むシーンも印象的だった。マーガレット・サッチャ―は、小さな雑貨商を営むアルフレッド・ロバーツの娘として生まれる。階級社会イギリス議会でそのことを揶揄する声が絶えなかった。首相になったあと、母親、サッチャ―を乗せ、ダウニング街10番地での緊急閣議に家を飛び出す車の後を必死に追いかける二人の子供を写した一瞬のシーンも印象的だった。

この映画はPhyllida Lloydという女性監督の手で完成した。主演のメリル・ストリーブも素晴らしい演技をした。しかし、この映画は、ロイド監督抜きにして語れないなと思った。映画館で販売していたパンフレットに「権力と、その権力からの挫折の物語です。それまで順風満帆な人生を歩んで来た人間が、突然それに終止符を打たれたらどうなるかという話なのです」と答え、インタビューの最後に「この映画は、壮大な人生の物語です。人はひとりで生まれ、ひとりで死んでいきます。これを受け容れる物語なのです。」と結んでいた。(了)


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