紅葉葵・グロリオサ饗宴
江嵜企画代表・Ken
人それぞれに顔がある。花も同じである。それも訪れる日と時間によっても、それは違う。グロリオサは2本咲いていた。花泥棒に、先日、哀れ、頭をはねられたもう一方の仲間は花をつけなくなった。頭をフエンスの外に出していた残り1本のグロリオサを、大事をとって無理やり中に入れて見守っていた。幸い、花を元気に付けた。そばには、今を盛りと、次々開花、日々たくましさを増していく紅葉葵が立っている。
朝10時前後ともなると結構日射しはきつい。いつものように兵隊さんスタイルで手ぬぐいを帽子の下にいれ、一気にスケッチした。紅葉葵は一日花である。一日経つと色も姿も前日の面影はない。つつましく身をたたんでいる。見るに忍びないと思うのは人間様のさがにすぎない。植物さんは彼女らなりの節理で生きているに違いない。
紅葉葵と比べると、グロリオサは寿命が比較的長い。つぼみから花を落すまで1週間近くある。人にもそれぞれに決められた寿命がある。花も同じなのだろう。それぞれが違っていて、自然で、美しいのだと思う。花から日々教えられる。なかでも、花から元気がもらえるのが一番嬉しい。(了)