ＮＹ市場、ワクチン接種週明け開始の動きも、様子見で反落、一部、治験結果見極めたいとワクチン接種開始延期を決める動きもとＮＹタイムズ紙（学校で教えてくれない経済学）

FDAの正式認可を経て週明け15日にもワクチン接種が米国ではじまる。11日、米財政赤字補填のつなぎ予算が可決した。一方、米国内でのコロナ感染者、死亡者増加は収まらない。NY州は屋内での飲食の全面禁止を決めた。11日、世界のコロナ感染者数は7,000万人、死者160万人を超えたとジョン・ホプキンス大が発表した。週末11日のNY市場では、ダウ採用銘柄のウォルトディズニー株が動画配信サービスでクライエントを大幅に増やし、先行き業績拡大期待から175.72ドル、13.6％高、1銘柄でダウを138ポイント引き上げたが金融株が債券上昇、利回り低下で売られるなどその他１２６．幅広い銘柄が値下がり、30,041ドル、47ドル、0.2％高で取引を終えた。S&P500、3,663，0.1％安、ナスダック、12,377，0.2％安で取引を終えた。ナスダックではアマゾンが3，116.42ドル、0.5％高と値を保ったがテスラ、609.99ドル、2.7％安が安値をリードした。

11日ＮＹ市場で恐怖指数VIXは23.31,3.5%増、米10年物国債利回りは米債券上昇で利回りが0.896％へ低下した。NY外為市場では1ドル＝104.04円、0.2%安、１ユーロ＝126.05円、0.3％安、1英ポンド＝137.63円、0.7％安と3主要通貨に対して円が買われた。NY原油（WTI)はバレル46.55ドル、0.5％安、北海ブレント、同49.98ドル、0.5％安と冴えない。11日のブルームバーグ電子版によれば、米追加経済対策が進展しないことから先行き原油需要減が意識された。NY金はオンス1，843.70ドルとほぼ変わらずで取引を終えた。

ワクチン接種関連では警戒警報も紹介された。11日、ブルームバーグは「仏サノフイ、英グラクソ―スミスクラインは共同開発ワクチンに十分な免疫反応を示さなかった。その為接種可能時期を2021年第一四半期まで延期すると発表した。豪LSLとクイーンズランド大共同開発ワクチン購入をキャセルしたと豪政府が発表。」と伝えた。ロシアテレビは「ロシア国産ワクチン、スプートニクXとアストラゼネカと共同開発する」と伝えた。11日、FDA(米医療薬品局)は「リスクより利益の方が多い」との諮問委員会のアドバイスを受けてワクチン接種を決めた。ホワイトハウスはFDAに「接種を始めるか然らずんば責任者は首だ」と異例の声明を出してFDAに圧力をかけたと11日、ワシントンポスト紙は伝えた。

余談ながら相場は心の鏡であると勝手に思っている。人とはいえ所詮動物である。動物本来のStanpedeスタンピードという一定方向に争って走り出す本能から抜けきれない。NY市場の11日のウォルトディズニー株に殺到した姿だけ見てもそれを感じる。実態は昨日と今日と何も変わっていない。日々相場は乱高下する。日本でもほぼ50年前のオイルショックで多くの日本人がパニックになってトイレットペーパーに主婦が殺到した。一方、特に欧米人はマスク着用を頑なに忌避する。11日、NYタイムズ紙によれば米50州政府が足並みを揃えて初めてマスク義務付けを発令したと伝えた。同紙は今さらのように動画を流し、口を開けば飛沫が飛ぶ。ウイルスは超微細なため長時間滞留して感染の温床になると警告していた。死亡者の多くは既往症を抱える高齢者である。風邪を引かないことに尽きる。（了）