「東大寺絵馬」
江嵜企画代表・Ken
日本画家、森田りえ子先生から夕方の便で令和三年辛丑歳の東大寺絵馬が届いた。幸せを運ぶ虹を見上げる牛。足元に芽ぶく姿を添えた。コロナなんかに負けてなるものかと言う森田りえ子画伯のメッセージが伝わる。
高島屋友の会「日本画教室」で森田りえ子先生から日本画の手ほどきを受けて以来かれこれ20年になる。その時生まれて初めて描いた6号の薔薇の絵を手許に大切に保管している。
以前にも書いたが当時教室の生徒のさるご婦人の「私ら40年も日本画やってんねんよ。」の一言が今も忘れられない。今少し暖かい目で見てほしいとその時は思った。改めてその時の絵見ていると納得する。
人様にお見せ出来ない代物だという言葉がある。当のご婦人が、思わず口に出されたお気持ちが今正にビンビン伝わってくる。
森田りえ子先生は、超多忙であることなどの理由で「午後」の教室の助手を務めておられた猪熊佳子先生に後を託された。現在、猪熊佳子先生が「午前」「午後」ともにお一人で教えておられる。
先日、久しぶりで猪熊佳子先生から草花を教材に改めてスケッチの基礎を教わった。当たり前のように鉛筆を走らせていたが鉛筆一つの選び方でも絵が変わることを学んだ。ただかがスケッチ。されどスケッチの世界が大袈裟でなく息づいている。
余談ながら「初心忘るべからず」という言葉が能楽師、世阿弥の残した『花鏡』という伝書にある。