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日本人の海外旅行「いまむかし」at 酒蔵文化道場:斎藤文代氏大いに語る(スケッチ&コメント)

2021-08-01 22:46:01 | スケッチ


酒蔵文化道場:斎藤文代氏大いに語る

画・江嵜 健一郎



7月31日(土)午後4時から第122回「酒蔵文化道場」に講師に斎藤文代氏(阪急交通社執行役員)を迎えて、日本人の海外旅行「いまむかし」と題する講演会が神戸酒心館ホールで開かれ楽しみにして出かけた。

講師の斎藤さんは1983年、阪神電鉄に入社、航空営業部に配属、ヨーロッパツアー企画に携わった。1559~1990年にわたってテレビ放映された「兼高薫の世界の旅」を見て「私も海外へ行きたいなー」と思った時のことが今も強く心に残っていますと話を始めた。

日本人の海外旅行は、東京オリンピックが開かれた1964年4月1日に海外自由化となり門戸が開かれた。2014年「海外渡航50周年」を祝った。1970年代にかけてジャンボ機が導入され大量輸送の幕開けとなったと話を進めた。

80年代に入ると1ドル=235円への円高効果もあり20代のOLたちが海外旅行の牽引役となった。ヨーロッパ旅行代金が60万が一気に30万台に下がった。30万していたハワイ旅行が7万円台に下がり日本の海外旅行客は右肩上がりに伸びて行った。

90年代に入るとバブル崩壊、海外旅行の牽引車はシニアに移り特に女性が支えた。しかし20年代に入ると国際テロ事件、自然災害多発も重なり横ばい時期が続くが年間1,700万~1900万を維持、一方、1915年以降、VISA条件大幅な緩和に伴いインバウンドが大躍進に転じた。

ところが2020年にはいり新型コロナ感染拡大で念2,000万人が320万人に激減いまだ回復していない。一方、一時年230万人を記録したインバウンドもほぼゼロにまで激減したと正面プロジエクターで映したグラフを示しながら説明、現状極めて厳しい状態に直面していると話された。

一息置いたところで斎藤さんは「日本人の海外旅行は職場の団体旅行から始まった。大阪万博を契機に家族旅行の時期を経て10年ほど前から需要のパターンに一つの変化が見られる。それは「お一人様」旅行の割合が確実に増えて来ていることです」と指摘された。

あるアンケート調査では「一人旅」を望むと答えた人の比率が30.1%を占めると斎藤さんがちらっと口にされたときは正直わが耳を疑った。当の阪急交通社も「お一人様」旅行を海外、国内旅行にも力を入れていると話した。

「プライベートブランドの選択肢を数多く用意する。安心と安全を保証する。料金面でも対応する。海外の旅行先でもただ国を並べるのはダメ。テーマで選ぶ。その一つに世界遺産でしょう。国内旅行でも世界遺産はテーマの一つです。」と指摘した。

質問の時間に入った。最初にある男性が「日本はいまデフレで世界で一番
物価が安いのではないか。」と聞いた。斎藤さんは「実はそのとうりなんです。コロナが収まればインバウンドが爆発すると思います。その時に備えて安心安全なしっかりとした体制を作る使命が我々旅行業界にあります。」ときっぱり答えた。

今一人が手を挙げて「中国、韓国への海外旅行を敬遠する傾向があるようだがどのように見ておられますか」と聞いた。斎藤さんは「ベトナムに人気が出ています。しかし、中国も魅力的な場所が豊富にありますので増えると思います。」と答えた。

いつものように一口お神酒をいただきご機嫌で帰路についた。貴重な機会をご用意いただいた神戸酒心館の安福会長さんにひたすら感謝である。(了)

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