(学校で教えてくれない経済学)
「クイック・ジャパン」という音楽や芸能に強い若者向けサブカルチャー雑誌が、「最新号」で「僕たちは<震災直前>を生きている」という巻頭特集を組んだという記事を、4月21日付けの日経朝刊コラム「春秋」で読んだ。「春秋」文末に「豊かな感受性で東北の痛みを受け止め、近づく危機を見据え,智恵の蓄積や友人同士のつながりに備える。親が頼りにならなければ、子供がしっかりするしかない。若者はそんな目でこの国の指導者を見はじめているのかもしれない。」と結んでいた。
ヤフーのブログで「クィック・ジャパン」を検索してみた。「2012年4月12日発売!リニューアル新創刊号!」とあり、当の雑誌が100号までの歩み、101号「クイック・ジャパン」として再スタートしたと書いていた。「僕たちは<地震直前>を生きている」という切り口が、実に新鮮だった。
話は飛ぶ。定年後、読もうと、しこ・しこため買いしていた本の多くをばっさり処分したことを先日、書いた。それでも手許に置いたままの本に「一寸法師はマイクロマシンだった」(ビズネスマンのためのテクノ寓話集)(丸山常喜著、発行:工業調査会、1995年9月初版)がある。「寓話ではないが」と著者は前置きして、第36話、「稲村の火」―直下型津波、ともかく逃げろ!の小見出しで「地震後に海岸の潮が急に引いた。庄屋の五兵衛は、それを見て即、津波を予感して、自分の大切な収穫物の稲に火をつけて、人々を助けたのだった。津波の前触れを判断したのである。」と「稲むらの火」の一節を紹介している。
上記「寓話集」第27話に,「ネズミの嫁入り」、プルトニウムという項がある。「ネズミの嫁入り」は「人は分相応が良く、つり合わない高望みをするものではないという結論。あらすじはこうだ。「裕福なネズミ一家の美しい娘が、嫁入り先に日本一の婿を望む。その相手に最も偉いのはまずお日様、次に日を隠す雲さん、雲より強い風さん、風より強い壁さん、その壁をポリポリかじってしまうネズミが最も偉い、ということになる。結局、ネズミの娘は、チュウ助ネズミに嫁入り、幸せになりましたとサ。」
「ネズミの嫁入り」や「風が吹けば置け屋が儲かる」寓話のように一件落着といかないのがプルトニウムであると来る。フランスは、スーパー・フエニックスという増殖炉計画を中止した。プルトニウム利用を止めてしまえば問題はなくなる。米英独もその方向にある。太陽発電、燃料電池、海洋発電、地熱、風力等の循環できるエネルギー源の可能性もある。ここは「プルトニウム教」に酔いしれている場合ではない。世界から孤立した物欲の国・日本でなく、いにしえのおとぎ話のように、日本が本来持っていた美意識や価値観に思いをはせて、決定的方向転換を図る時ではあるまいか」と項を結んでいる。
「親が頼りにならなければ子供がしっかりするしかない。」日本の若者に大いに期待したい。(了)
「クイック・ジャパン」という音楽や芸能に強い若者向けサブカルチャー雑誌が、「最新号」で「僕たちは<震災直前>を生きている」という巻頭特集を組んだという記事を、4月21日付けの日経朝刊コラム「春秋」で読んだ。「春秋」文末に「豊かな感受性で東北の痛みを受け止め、近づく危機を見据え,智恵の蓄積や友人同士のつながりに備える。親が頼りにならなければ、子供がしっかりするしかない。若者はそんな目でこの国の指導者を見はじめているのかもしれない。」と結んでいた。
ヤフーのブログで「クィック・ジャパン」を検索してみた。「2012年4月12日発売!リニューアル新創刊号!」とあり、当の雑誌が100号までの歩み、101号「クイック・ジャパン」として再スタートしたと書いていた。「僕たちは<地震直前>を生きている」という切り口が、実に新鮮だった。
話は飛ぶ。定年後、読もうと、しこ・しこため買いしていた本の多くをばっさり処分したことを先日、書いた。それでも手許に置いたままの本に「一寸法師はマイクロマシンだった」(ビズネスマンのためのテクノ寓話集)(丸山常喜著、発行:工業調査会、1995年9月初版)がある。「寓話ではないが」と著者は前置きして、第36話、「稲村の火」―直下型津波、ともかく逃げろ!の小見出しで「地震後に海岸の潮が急に引いた。庄屋の五兵衛は、それを見て即、津波を予感して、自分の大切な収穫物の稲に火をつけて、人々を助けたのだった。津波の前触れを判断したのである。」と「稲むらの火」の一節を紹介している。
上記「寓話集」第27話に,「ネズミの嫁入り」、プルトニウムという項がある。「ネズミの嫁入り」は「人は分相応が良く、つり合わない高望みをするものではないという結論。あらすじはこうだ。「裕福なネズミ一家の美しい娘が、嫁入り先に日本一の婿を望む。その相手に最も偉いのはまずお日様、次に日を隠す雲さん、雲より強い風さん、風より強い壁さん、その壁をポリポリかじってしまうネズミが最も偉い、ということになる。結局、ネズミの娘は、チュウ助ネズミに嫁入り、幸せになりましたとサ。」
「ネズミの嫁入り」や「風が吹けば置け屋が儲かる」寓話のように一件落着といかないのがプルトニウムであると来る。フランスは、スーパー・フエニックスという増殖炉計画を中止した。プルトニウム利用を止めてしまえば問題はなくなる。米英独もその方向にある。太陽発電、燃料電池、海洋発電、地熱、風力等の循環できるエネルギー源の可能性もある。ここは「プルトニウム教」に酔いしれている場合ではない。世界から孤立した物欲の国・日本でなく、いにしえのおとぎ話のように、日本が本来持っていた美意識や価値観に思いをはせて、決定的方向転換を図る時ではあるまいか」と項を結んでいる。
「親が頼りにならなければ子供がしっかりするしかない。」日本の若者に大いに期待したい。(了)