「美しき生涯」:宝塚大劇場・宙組公演
江嵜企画代表・Ken
「美しき生涯」という宝塚歌劇団宙組公演が評判で、大石静さんの作品
ということもあって、宝塚ファンの友達のIさんに切符を二枚手配して
もらい楽しみにして家族と出かけた。
幸い開演午後2時頃には雨も小止みとなり、その日たまたま千秋楽という
こともあってか、阪急電車宝塚駅下車、徒歩約7~8分の宝塚大劇場までの
通りには長い列が出来ていた。
さすが宝塚歌劇というか、当り前と言えばその通りであるが、男性を探す
のに苦労するほどで満席の会場は文字通り女の園だった。会場の様子を
いつものようにスケッチした。
「美しき生涯」は、石田三成と茶々の愛の物語である。
「生きること、生かすこと」と題して大石静さんは
三成と茶々との「相問歌」を作詩し、三成(大空祐飛)と茶々
(野々すみ花)二人に舞台で歌わせた。
「愛があればどんな時でも息が出来る、
愛があれば辛くとも生きていける、
この乱世に二人、
出会い命つなぎ合うこと、
それが愛、それが誠の愛」
天正10年(1582)、領主信長の非業の死も豊作を喜ぶ農民に鞭をか
けようとする。たまたま通りかかった三成はその手を制止、民をおもいや
る心こそが上に立つものの心得と茶々を諭す。はじめて会ったそのときか
ら二人は互いに何か特別なものを感じ始めた。
翌天正11年冬、秀吉軍に囲まれ陥落寸前の北ノ庄城で、茶々は秀吉軍を
率いて来た三成と再会、救出される。茶々は日に日に三成への思いを募ら
せる。三成も茶々にひかれるが、身分が違うことから気持ちをひたすら押
し殺した。
天正13年、大坂城落城、秀吉は三成に茶々を自分の元につれて来るよう
命じる。茶々が三成に迫る場面が一つの見せ場。茶々は、ただ一つの三成
との願いと引き換えに、秀吉の側室となることを決断した。
関ヶ原で破れた三成が、大津城で処刑される直前、農婦に身を隠した淀が
現れるところが最後の見せ場となっていた。15年後、大坂城で淀は自刃、
死後ようやく夫婦となった三成と茶々が、永遠の愛を誓う場面で
フィナーレを迎える。
休憩なしで18場、時間の経つことも忘れていた。7月8日~8月7日の
間、東京宝塚劇場での「美しき生涯」宙組公演が予定されていると聞いた。
大勢の東京近郊在住の宝塚ファンが詰めかけることだろう。(了)