腹痛の原因は?
近年、腹痛を訴える人は少なくなりましたが、それでも時々「腹痛」を訴える方はいます。
腹痛と言えば、多くが大腸を想像するようです。
しかし、普段からお腹の調子が悪い人は別として、急に起こる腹痛は小腸の場合が多いです。
それは、火(心臓・小腸)の関係があるからです。
心臓の病変の特徴として「急変する」というのがあります。
先ほどまで元気だったのに、急に顔色が悪くなって「気分が悪い」と訴えるのがそれです。
そんな場合にお腹を整える治療をしても、あまり効果はありません。
理由は、先ほど書いたように、「心臓」が原因となっていることがあるからです。
それをどのように診断するかと言えば、脈診のできる人なら脈診でもわかるし、脈診のできない人なら、腎査穴を探ってみるといいです。
お腹が痛いのに何故腎査穴かと思うかも知れませんが、それは七星鍼法での対応経絡になっているからです。
つまり、「心⇌腎」の関係があるからです。
だから、腎査穴に反応があれば多くが「心」と考えていいのです。
で、その下痢の治療はどうするかと言うと、私は「大腸の募穴である天枢」は使いません。
何故なら、天枢は七星論で観ると、「土の位置」になるからです。
つまり、天枢は「土=脾・胃」の治療に使うのです。
それは実験方法もあります。
あまり極端な事を言うと、戸惑う人がいるかも知れませんので、天枢の話はそれぐらいにして、「水下痢」の話に戻します。
水下痢に速効的な治療をするなら「心の募穴である巨闕」を使うのですが、七星論での胸部七星配置では「火は玉堂」になるので、玉堂へのお灸などで治療します。
普段から「心臓」に異変のある患者さんなら、七星論での背部兪穴の「2地」「2火」を使います。
募穴とは、胸腹部にある臓腑の経気が集まるところを言います。
兪穴とは、背部にあり臓腑の経気が集まるところです。
臨床的な説明をしますと、
腹部にある募穴は、速効性はありますが、持続効果の期待は少ないです。
背部にある兪穴は、速効性は少ないのですが、継続治療する事で慢性的な疾患に効果を期待することができます。