知られていない(私が知らない)指揮者の演奏ながら、オーケストラはドイツシュターツカペレだし、価格は400円!ということで購入したCDがとてもいい。ビックリ!です。
一口で言えば、【燻し銀の愉悦】-のびのび生き生きの愉しい演奏ですが、ドイツシュターツカペレの木質の音色が自然な落ち着きを感じさせます。序曲集は名指揮者のものがたくさん出ていますが、続けて聞くと疲れてしまいます。これは反対に、ずっと聴いていたくなるような流れのよい、気持ちのよい演奏です。このHans Vonkという指揮者は大変な実力者です。「嬉しい不覚」?でした。
曲目も代表的なオペラのものに留まらず、モーツァルト15歳の時の「アルバのアスカニオ」の序曲(フェルデナント皇子の結婚を祝うセレナーデ、大成功を収めた)や「ルチオ・シラ」(16歳)という珍しい初期の作品が途中で「中休み」のように入ります。可愛らしく覇気に溢れた作品が有名な序曲の中でよい役割を果たしています。最晩年の「皇帝ティトゥスの慈悲」、デモーニッシュな「ドン・ジョバンニ」で終わりますが、全11曲の配列もよく考えられています。
録音も自然で聴きやすいものですーわたしは二種類の異なるオーディオで聴いていますが(真空管出力のものと大型のトランジスタ出力のもの)どちらで再生してもよい音です。
Hans Vonk指揮 ドレスデンシュターツカペレ 輸入盤(米)
HMVで購入出来ますのでどうぞ。http://www.hmv.co.jp/product/detail/754225