思索の日記 (クリックで全体が表示されます)

武田康弘の思索の日記です。「恋知」の生を提唱し、実践しています。白樺教育館ホームと共に

★わたしの見方・考え方の基本です★ 自分と自分ちという発想から解放され、公共性と普遍性の世界へ出発!

2023-10-08 | 恋知(哲学)
★★わたしの見方・考え方の基本です★★


 良識派とか改革派とよばれる陣営がいつも負ける深因は、知識や技術で他者を上回ろうとする思想=態度にあるのではないでしょうか。
 知っている、より正しく・詳しく知っているとか、何かが出来る、よりたくさん知り出来るわたしを目がけて生きている人と接すると、イヤな感じがします。他者に優越しようとする言葉や態度は、愛をつくらず、深い攻撃性をつくるので、楽しくないのです。

 藤井聡太君は、将棋がだれよりも強い自分、という想念をもちません。純粋に好きでたまらない将棋の世界に生きて幸福です。NHK朝ドラで取り上げた植物学の牧野博士も純粋な植物への愛で生きて、生涯、権威者とは無縁でした。中学卒であり小学校中退であった二人は、学歴という世間価値を超越した存在です。最大実力者だった政治家の田中角栄も小学校卒です。その人柄は豊かな愛情に満ちていると、接した人は、誰もがそう話します。
 偉大な彫刻家の木内克(きのうちよし)も、独創的作曲家で最高の評価を得ていた清瀬保二(きよせやすじ)も弟子の武満徹も、高校中退と高卒です。彼らは、知識や学歴・履歴や肩書き・所有物や財産の力で他者に優越せんとして生きた人ではありません。存在そのものの魅力とパワーでよきものを自他に与えた人です。

 競争主義で生き、人間的豊かさがない人は、特定のグループ内だけで生きることになります。「社畜」であったり、家意識の強い「自分と自分ち族」であったり、「〇〇学会所属族」であったり、「町内会主義者」であったり、「特定宗教の信奉者」であったり、「政治家グループ」であったりします。 
 それは思想や哲学でも同じで、固執・固着せずに自由に生きるために自分のありようを吟味するのではなく、あべこべに特定の見方・考え方を強めるために=確固とするために思想や哲学を用いてしまいます。そうすると、思想・哲学とは塊になり、宗教化してしまいます。○○主義に陥ります。西欧中心主義者が偉い、というような著しく歪んだ思想をもつ学者が大勢います。

 「わたしは、あなたより知っている、わたしはあなたよりできる」という思想、言葉や態度は、何も生み出さないだけではなく、いやなムードを醸して、自他にマイナスし、世界を壊します。
 
 人間とその社会にとり、最も必要な【開かれた豊かな愛】に欠ければ、すべてお終いです。知識・履歴(肩書き)・所有物(金)の獲得に必死に生きている方、それは「死に至る病」です。そこから自分自身の自我を解放しない限り、よい人間の生と開かれた社会への通路を拓くことはできないはず。
 
 閉鎖的な自己愛=自分と自分ちという発想と生き方を、開放的な「公共性」と深みのある「普遍性」の探求へと変えることが、愉快な人生と社会を生み出すキーとなるのではないでしょうか。魅力に乏しいツマラナイ人が、楽しく公平な社会をうむはずがありません。知識や技術は、他者に奉仕するために使われた時にはじめて意味と価値が生じます。他者に優越しようとするのは、愚かで不幸。精神の元を壊してしまいます。


武田康弘

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1 コメント

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無題 (遍照飛龍)
2023-10-09 12:06:26
本当に、そう思います。

本当の智者は謙虚ですし、本当の勇者は武張らないことが多いです。

本物でないから「威張る・他者を見下す」

そう思います。
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