以下は、木曜日に大学クラスで行ったサルトル講義の第1回目の概略です。
12日(水)の「恋知の会」では、以下の内容を分かりやすく絵画や音楽も使ってご説明します(白樺教育館で午後1時30分より4時30分)。
サルトルの西欧哲学における特殊性。 ソクラテス・プラトン、 アリストテレスと、 ヨーロッパの中世神学と近代西欧哲学の意味、大きな相違。
ほんらいのソクラテスの実存思想は、西洋ではなく、ブッダとの親近性をもつこと。キリスト教西欧との異質性、にも関わらず西欧文明が換骨奪胎して取り込んだ経緯と理由。
その流れ(言語=論理ゲーム)としてのスコラ哲学とその改革としての近代思想(デカルトに始まりハイデガーに終わる)とは異質のサルトル思想の特別な位置。
実存思想のもつ根源性(古代のソクラテス・ブッダ・老子の3人が象徴・20世紀ではサルトル)。自分を知る。 実存的精神分析=根源的選択と未来への憧憬と 経験主義による通常の心理学=因果の解明を目がけて過去に遡及する事との違い。
若き哲学チャンピョンだったサルトルは、心理学(現象学的心理学)を出発点とし、それとの関係でイマージュ(想像力)を根源的なものとする思想を、最初の哲学本「想像力の問題」(今年5月に出た新訳では「イマジネール」)で展開。 サルトルにとっての最大の位置をしめるのは想像力であることが分かる。
1980年死の前に「いまこそ希望を」と語ったこと。友愛と希望。
武田康弘
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