米軍が沖縄全島を基地として自由に使えるのは、戦後すぐに、昭和天皇がマッカーサーに、米軍が沖縄を使ってほしいと申し出たことによります。
それは、今では、資料が公開されて知られていることですが、本土から切り離され、本土の犠牲になることは、住民の４分の１が亡くなった沖縄戦からずっと続く悲惨です。
今また、２００年もつという設計で、巨大な新基地が、辺野古の海を埋め立てて造られようとしています。無条件で普天間の返却を言えない日本政府は、普天間返還の米軍の焼け太りでより高度な基地を提供するハメになったのです。
昭和天皇に切り捨てられた沖縄は、いまは「戦前回帰」の安部政権の下で、再び充実した基地の島として存在するように、仕向けられています。アメリカ軍のアジア戦略の要として使われるわけです。
米軍の意に従う日本政府のテイタラクは、沖縄の人びとの権利も沖縄の貴重な自然も守るどころか、アベコベにすべて米軍に差し出します。
世界の人権侵害を批判するアメリカは、世界に例をみない軍事島として好き勝手に沖縄を使い、沖縄の人々の人権を奪います。軍隊の前には人権などない、というのがアメリカの態度です。最低。
自民党のみならず民主党政権の時も、自国民の人権を守れず、米軍のいいなりの政府しか持てていないわれわれ日本人とは、何なのか。情けない。
武田康弘
竹田徹です。
武田さんは、沖縄が米国の軍事基地化されていることに胸を痛め、県民に寄り添い米国を「最低」だと罵る。一方、領土を占領され住処を追われた北方領土の旧島民には思いを馳せることなく、敗戦の結果を尊重せよとばかりにロシアを慮る（「ロシアが気の毒」発言）。
沖縄の現状も敗戦の影響が少なからずあるわけで、武田さんの米国とロシアへの態度の違いは私にはダブルスタンダードとしか思えないのですが、そうではないということをブログの読者に分かりやすく説明していただけませんでしょうか。
ロシアが違法に占拠しているのではありませんから、返還を実現するには、ロシアの善意にお願いするほかないのです。
それを弁えすに、元々日本領だと言ったのでは、話にならないわけです。
敗戦の事実を弁えることが必要で、その視点から見なければ、返還は一歩も進まないのです。
竹田です。
ロシアの北方四島占拠が合法というのは驚きですね。
よもやまさか、ですが実効支配と法的正当性を混同されていませんか。
ロシアの占拠は日本のポツダム宣言受諾後の話ですよ。
結局、武田さんは力で既成事実を作ったもの勝ちという考え方なのでしょうか。
敗戦という結果を絶対視するのであれば、武田さんは日本は米国から原爆を投下されても仕方がなかった、というお考えなのですね。
また、卑近な例で言えば、万引きをしてもばれなければ（＝実効支配していれば）合法、ということになるのですね。
念のため確認ですが、戦争の結果や実効支配などの「現実」を尊重すべし、という武田流解釈によれば日韓併合は当然に合法・有効になるはずですが、それでよろしいですか？
その事実を踏まえて交渉するほかないのは理の当然で、そこに異論の入る余地はありません。
それだけのことです。
竹田です。
ご回答ありがとうございます。ただ
戦勝国の決め事なのだから敗戦国がつべこべ言うなというのも一つの立場ではありますが、それは結局、戦時中の戦勝国の行為の非（原爆投下など）は何ら問うことができないという諦観につながるのではないでしょうか。常日頃人権、人権と主張される武田さんは、沖縄県民には寄り添っても、北海道民には驚くほどドライなのですね。
お二人の意見の交換を読んで、私の頭の中のもやもやが少しはっきりしました。
北方領土問題は、所有権の話。
沖縄辺野古基地の埋め立ては、多くの生き物の生存権の話。
だから、北方４島の話にキリキリ来る人は、沖縄の基地や自然にはピンとこないし、その逆も然り、なのかなと、思い至りました。
元々北海道・千島・樺太はアイヌ人のものだったと言う認識が、私の血を熱くさせないのかもしれません。
お二人の意見交換、面白かったです。