思索の日記 (クリックで全体が表示されます)

武田康弘の思索の日記です。「恋知」の生を提唱し、実践しています。白樺教育館ホームと共に

残念ですが、尖閣は日本固有の領土とは言えないようです。

2016-06-10 | 社会批評

「ポツダム宣言」受諾で、わが国は、カイロ宣言の履行を義務付けられましたが、それを踏まえて、以下の清水光子さんのお話に耳を傾けてください。
2014年9月11日のblogです。

 

残念ながら、「尖閣」は、日本の領土ではないようです。今日の清水光子さんのお話

 2014-09-11 | 学芸

    清水光子さん(9月10日 白樺教育館)

 

今日の「恋知の会」で、
戦時中は台湾州のトップであり、最後(敗戦時)は、支那方面艦隊司令長官であった福田良三(海軍中将・勲一等)の実娘さんの清水光子さん(84歳)は、以下のように話されました。

お父さまから、尖閣は、台湾州の防衛ライン内であることや、台湾の漁民が漁場にしていると聞かされていた。」
また、「海洋学上(海底地形)も沖縄には所属せず、台湾州である」とも話していたとのこです。

清水さんは、「当時の海軍関係者は、尖閣は台湾州に属するものと認識していて、沖縄に所属すると思っていた人はいないはず。」と話されました。


これは、極めて重要な証言で、
台湾州は、ポツダム宣言を受諾して敗戦をしたわが国の領土ではありませんから、尖閣は沖縄に所属していたので日本領だとする政府や外務書の主張は、明らかな嘘であることになります。
日本人だからといって、嘘で領土を拡大することはできません。  中国敵視ではなく、日中友好が必要です。

 

以下は、福田良三さんの写真と、B級戦犯として上海から家族へ宛てた手紙です(クリックで拡大します)。

            

 

なお、興味深いお話がいくつもありましたが、それはまた後日に。

 

追記

 尖閣の領土問題を煽ったのが石原慎太郎であり、乗じたのが愚かな野田総理でした。石原は「シナと戦争したい」と語っていますので、尖閣で中国を挑発することがその目的であることは明らかです。
 領土問題の大宣伝を行う政府と政治家は、日本的「愛国主義」のイデオロギーを浸透させること→社会契約に基づく現憲法の全面廃棄(国体思想の復活)を目的としていますので、

国民は、その戦略の上で踊らされているわけです。
 市民=ネットしか、冷静な真実を伝えられませんので、ぜひ、拡散して、領土問題を冷静に考えましょう。それがホントウの国益=国民益になるはずです。

 

追記2

 伊藤博文は魚釣島=尖閣諸島を日清戦争時に尖閣を日本領として編入したのですが、その経緯は以下の通りです。

 1885年(明治18年)の時点で、明治政府(山県有朋)は、閣議で魚釣島(尖閣諸島)を日本の領有とすることを否定しています。
 この年の9月に沖縄県令(今の県知事)の西村捨三は、内務卿の山県有朋宛ての報告書で、

魚釣島は大東島とは地勢が違う し、中国の記録が多くあり、冊封船(さくほうせん/中国が承認した国の船)が通っていて島に詳しく、それぞれに中国名もついている。日本領という標識を立てるのは待った方がよい(要旨)」
と 記しています。
 これを受けて山県有朋は井上馨外務卿 に相談しますが、井上は
調べるのはよいが、右 島嶼(とうしょ)(魚釣島)に、国標を立てるのはよくない、清国の疑惑を招 く。また島を調査していることを官報並びに新聞に掲載してはいけない(要旨)」
と応えました。
 それを聞いて山県は、1885年の閣議で魚釣島の日本領有を否定 しました。


  ところがその10年後、日清戦争の末期に皇軍の勝利が確実になった時点で (1895年・明治28年1月14日)突然、伊藤博文は「標杭建設の義」を決定し領有に踏み切りました。
久米島魚釣島と称する無人島へ向け近来漁業等を試むる者有。之為取締を要するに、付ては同島の議は沖縄県所轄と認めるのを以て、・・・・明治二十八年一月十四日 内閣総理大臣伯爵伊藤博文」。

 

 

 

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8 コメント

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Unknown (とろ)
2016-06-10 22:40:03
>当時の海軍関係者は、尖閣は台湾州に属するものと認識していて、沖縄に所属すると思っていた人はいないはず。」と話されました。

・・・・それで?というお話ですね。
返信する
固有の領土という嘘はダメ (武田康弘)
2016-06-13 10:21:09
それで、
尖閣は沖縄に所属していたので日本領だとする政府や外務書の主張は、明らかな嘘ということになります。
少なくとも「日本固有の領土」という外務省や政府の主張は不成立。
ウソは、結局は国益を損ねます。わざわざ危険な争そいを仕掛けることになります。
返信する
Unknown (とろ)
2016-06-13 21:58:42
中国の領土を裏付ける資料って何があるんですかね?

古来からそうだったからってだけですよね?
日本の領土じゃないからってのは、中国の領土であることを表してはいませんし。
返信する
提案 (竹田徹)
2016-06-13 23:59:43
武田様


お久しぶりです、竹田です。
外務省のホームページには、尖閣諸島の領有権に対して「中国の主張に対する日本の見解」というコーナーがあります。武田さんはご覧になったことがありますか。

ご提案なのですが、この日本政府(外務省)の見解を、武田さんが一つずつ丁寧に論破するコーナーを作っていただけませんか。

現時点では武田さんは(例によって)自身に都合の良い論調を一方的に垂れ流しているだけ。ただのプロパガンダにすぎす、決してフェアとは言えません。

よろしくおねがいします~~~
返信する
Unknown (新田)
2016-06-16 02:57:10
歴史的にどこまで遡るのか
いつもその根拠が不明瞭で何とも解りません
返信する
領土問題は怖いこと。 (武田康弘)
2016-06-17 00:36:56
http://www.shirakaba.gr.jp/home/tayori/k_tayori144.htm

上記に、わたしの見解はありますので、どうぞ~~~。

竹田さん、
領土問題は、わざとアメリカ右派が残した仕掛けであることも知らないのでは、ナイーブすぎます。

安倍自民党とその支持者など、国体主義者は、領土問題で騒ぎ、敵をつくり、国民を日本主義で一つするのが目的ですが、それに引っかかるのは、賢くない人で、みなを不幸にします。支配的な場で生きるグループの得でしかないのです。

少しは歴史から学びましょう。


返信する
領土 (雄寿雌)
2016-06-24 23:24:17
【1】武田康弘さんのリンク先の見解を読みました。 
「わが国が領土問題で余裕のある利他的態度を示せば、近隣諸国は日本を高評価します。それがもたらす倫理的・心理的・政治的・経済的効果は予測を超えたものとなるはずです。日本への評価は一変するでしょう。」
とのことですが、中国、韓国のような自国民のうっぷんを他国に向けさせたり、小学生にも反日教育するような国に対して、「はず」なんて期待できますか? 「はず」の根拠はなんですか?

【2】「領土問題は、わざとアメリカ右派が残した仕掛け」
これは理解できます。しかしだからといって、中国韓国ロシアにどうぞご自由に、って論理にはなりませんねえ。
返信する
ポツダム宣言受諾 (武田康弘)
2016-07-03 13:20:16
天皇現人神の【徹底した思想教育】の成果で、戦前の日本は、どれほど負けても、戦争を止めず、一億玉砕の言葉を掲げ、沖縄では全人口の四分の一が死滅するという言語に絶する事態となり、首都東京の大空襲では10万人が殺されました。
それでも【天皇陛下のいる神の国】である日本は負けないと、毎日本土決戦に備えて、タケやりで米兵を刺し殺す訓練(わたしの母の女学校時代)をしていました。

まさに【カルト宗教】(生きている一人の男を神とする)による洗脳支配だったのです。その【政府神道=靖国思想】を作ったのは、長州下級武士の伊藤博文らでした。

この異常な宗教国家の日本に最終的な選択を迫ったのが、「ポツダム宣言」(アメリカ・中国・イギリスの三カ国による)で、そこでは、これ以上日本が戦争を続けるならば、連合国は、【日本全土を壊滅させる】と結語されていました。

カイロ宣言は履行されるべきものと書かれ、日本の領土は、基本的に本州、北海道、九州、四国の4つに限定されたわけです。

そのポツダム宣言を受諾し、ようやく日本は戦争を終えることができました(もし受諾していなければ我々はいま生きていません)。

本土決戦を叫んでいた旧日本に対して、日本の隣国で強大な陸軍をもつソビエトに参戦を願い、頼んだのがルーズベルト大統領で(大戦の終わる前に死去)、ソ連に軍を出してもらうみかえりに、北方領土をソ連のものとする約束をしたのです。

詳しく書くと終わりませんので、大ベストセラーとなった元外務省情報局のトップだった孫崎享さんの「戦後史の正体」をぜひお読みください。押さえるべき基本的な事実が平易に書かれています。
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