人生の裏側

人生は思われた通りでは無い。
人生の裏側の扉が開かれた時、貴方の知らない自分、世界が見えてくる・・・

心のベール

2015-11-17 23:34:02 | 宗教
芸術と文化の都パリも同時多発テロに見舞われました…。
このイスラム過激武装集団のことを”イスラム国”と呼称する風潮は、いいかげんなんとかならないでしょうか?
これでは、世界中のイスラム教徒は偏見の目で見られるばかりです。
イスラム教は、世界的な宗教にも関わらず我が国ではほとんど馴染みが有りません。
私も随分目にベールが覆われていることか…

私の知人にトルコ人のイスラム教徒の奥さんを持つ人がいるのですが、ある時この夫妻からイスラム教について詳しく聞く機会が有りました。
私はいきなり「ムスリムの男性は複数の女性と関係出来て羨ましい…」などと一知半解に基づく軽はずみなことを言ってしまったのですが、この時の彼女からは一瞬 ”バッカでねーの!”といった表情が伺われました。
詳しく聞いてみると、この一夫多妻制というのは、やむを得ない場合に認められているものらしいです。
私はムスリムの男性は、皆重婚をしているものだと思い込んでいたくらいで無知を恥じるしかありませんでした。
さらに「第二妻以下の女性はジェラシーとかは感じないのでしょうか?」とお聞きしたら、やや興奮気味に「感じるに決まってるでしょ!」と言い切ってました。
どうやらその物言いは、当たり前のことなんでしょうけれども、普通の日本人女性とほとんど変わりません!
これでは私は初来日した時のテリー・ファンク(プロレスラー)が「日本に来てみたが忍者など居ないぞ…」と言っていたのと変わらないようです。

信仰に関することもいくつか聞いてみました。
”日本などでは太陽を神の象徴として尊んでいるが、イスラムでは月とか夜を重んじるのは何故か?”
これは偶像崇拝を忌み嫌う事と関連していて、太陽というものはハッキリと輪郭が有ってイメージで捉えられ易いから、という明快な説明が有りました。
徹底して神は形、イメージを超えたものとみているのです。
これはある意味理に適っていると思います。神はどんな世俗的な政治理念とも超越しているはずなのでは?…本当にこのような神理解が有れば、武力に走ることも無いと思われるのですが…
神霊的な存在に関して我々日本人に馴染みにくい概念で、”ジン”と呼ばれるものが有ります。
これはこのトルコ人女性も説明に苦労していた様子でしたが、何となく伝わってきたのは神道とかアミニズムで言われる、竜神などの”自然霊”みたいなもののようです。
これも神のようで神でない、第一義的でないものは忌み嫌われているのです。
アラーの神というのはどこまでも超越的なものという事なのでしょう。
イスラム教というのは、本来は全ての宗教を包含した、ある意味での非二元性に通じた理念というものを持っていたのではないでしょうか?
このトルコのイスラム教についてはイロイロ伺ってみた印象では、私の思われた以上に”ゆるい”感じがします。
少なくとも、その背景からあの狂気のテロ集団が生まれるというイメージが湧いてきません。
大体、この女性はいつも顔をベールで隠してないです! ”あったりめーだろ!”と言われそうですが…(笑)
彼女は、私以上に非常に日本の文化に通じていて、古典文学のようなアカデミックなものから、アニメのことなども実に詳しく、いつも夫婦で楽しんでいるという…
楽しいことはどこの人間にも楽しいはず…そして悲しいことも…
狂信的宗教も思い込みのなせるものですが、偏見も思い込みです。
本当の偶像とは我々の思念に刻まれているのではないでしょうか?
心の偶像、ベールが取り払われたなら、当たり前の視点が見えてくる…


コメント
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