以前の記事で書いたエレキットのTU-879Sというパワーアンプの組み立てが何とか完成した。手首が痛くならないように少しずつ組み立てて最後の重量物・トランスを恐る恐る組み込んだ。 これに比べると組み立てを待っているケンオーディオのキットのトランスは重くてまだ持ち上げる気が起きない。困ったものである。
その組み立ては来月の楽しみとすることとし、このTU-879Sはなかなか良くできている。電源部は初段真空管のヒーターはハム防止に直流化し、電力管のB電源へ供給する直流は高機能なFETを通すという丁寧さである。 それに何と言っても作りやすい。部品の確認を確実にやって組み込めば多分中学生でも動かすことが可能であろう。 先日組み立てたプリアンプと違って部品点数や細かな半田付けの箇所もないので夏休みの課題にぴったりだ。自分で組んだ装置からいいい音が出るのだから子供との共同作業はいかがであろう。 結果から判断すると実にコストパフォーマンスの高いキットである。各箇所の電圧がチェックリスト通りであることも確認したのでしばらくは大丈夫であろう。
このキットに付いてきた6L6GCという球はロシア製、オーディオの標準球のようである。アンプ素人だった私も色々読みあさっているうちに球の名前が頭に入ってきた。確かにもと電気少年が嵌るには面白い世界である。しかしながらアンプだけではウンともスンとも言わないので40年前のスピーカを接続し、組み立てたプリアンプを経由して使われていなかったCDウォークマンやMP3プレイヤーをつなぐことにした。このアンプはまだ我が家のメイン機器に昇格したわけではなく、大蔵大臣の裁可もこれからなのでバラックキット状態である。(汗) それにエージングもこれからなのでカミさんが旅行中をいいことに気兼ねなく手当たり次第にCDをかけている。 目下のところジャズシリーズが多いのであるが、従来の半導体アンプよりも柔らかい音に満足している。 携帯用のMP3の出す音がまろやかに変わるのも不思議である。固い電子音楽に慣れた耳には熱雑音で補完された音が新鮮である。 我が家には住んでいないがipodの出力を取り込むと俄然違った音楽になること請け合いである。 何と云っても全て手作りの音なのである。(笑)
このキットで驚いたのは6L6が青白く光るのである。真空管の真空度が高いとグローが出ると聞いていたが、自分のアンプがそうなるのは嬉しい。ガラス幕一枚隔てた真空の世界は摩訶不思議である。ぶれてしまった写真ご容赦の程を。
そうそうHomepageに紹介するつもりであるが、最近入手した非接触温度計でGT管のプレートの温度を測定したら場所によっては測定不能、180度以上あると云うことである。写真では摂氏177.6度あるが平均すれば150度以上ありそうだ。真空管の温度を測ったのは初めてであるが、火傷どころか火の用心の温度である。十分に気をつけたい。 趣味で事故を起こしたのでは話にならない。
今回も趣味の話で恐縮であるが、好きなことを書いていると話題は尽きない。 あ、アンプはつい最近の話であるが、腱鞘炎で撮影旅行や汽車ぽっぽなどの大仕事が出来ないことから来る埋め草かも知れない。 回路や球、それに測定方法などのアンプについての難しい話は勘弁願いたい。(汗)