からくり出張所

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これなんでしょう

2011年11月22日 21時39分43秒 | からくり情報

 仕事に曙光が見えてきたせいか今日は病院に行く元気が出てインフルエンザ予防接種と健康チェックに行ってきました。まあ、好調とは云えませんが、何とか誕生日を一つ越えたところです。

 それはともかく少しホッとしたせいか日曜日は北裏鐵道運転会に出かけ、運転車両の後整備をしていると少しやる気が出たので先日来 失敗ばかりの機関車作り をゆるゆる再開してみました。 とはいえ昨晩はネジ数本締める程度でした。

 組立経過はその都度デジカメで記録していますが、どうも網羅的ではなくて気分で撮っているようです。失敗作も多い。これもその一つですが。気軽なコンデジをオートで使っているせいのようです。からくり復活を記念してどうでもいい何の役にも立たないことを以下に書いておきました。(ペコリ)

古井戸を覗き込んだような写真です。さて、これは何でしょう?

Dscn8297

 ライブスチームを作ったことのある人ならすぐに分かっていただけると思いますが、この写真は煙突の真上から煙室内を写しました。ピントが煙突中心のノズルに合っていないのでますます不可解なものに見えるかも知れません。

この場所を普通の写し方をするとこうなります。

 Dscn8298

最近手がけているフランス國鐵(SNCF)の140C 45mm模型蒸気機関車の煙室です。太い筒が排気ノズル、細い管が通風ノズルです。くねった銅管は給気管で、煙管を貫通しており、この中を通すことで乾燥し高温の蒸気:過熱蒸気になりエンジンに供給されます。 

エネルギーをエンジンに伝えて温度の下がった排気蒸気はノズルから直上に噴き上げ、その際に煙室内に充ちた燃焼ガスを巻き込んで煙突から噴出するわけです。模型ではシンプルな構造ですが、実機では更に複雑な構造になっています。

排気ガスを巻き込むための構造次第では高効率の蒸気機関車になることが知られており、欧州、特にフランスではシャプロンによってキルシャップ式排煙装置などの高効率化の排気装置の研究が続けられていました。 その反面、日本の鐵道ではあっさりしたもので殆ど改善が図られていなかったように感じます。鐵道省しかなかったので御山の大将でいられたのでしょう。 機械装置への思い入れはやはり欧州に軍配が上がります。

その欧州の機関車模型の煙室には45mmゲージの模型であっても複雑で、こんなものがあります。

Dscn8193

煙室装着前ですが、ボイラーからの蒸気を煙管内に送って加熱するためのステンレス過熱管が見えます。いったん煙管内に回し、真鍮製の集合配管に過熱蒸気を集めて下部の四シリンダに配ります。上部からの銅管は潤滑油管です。この場所で蒸気と混合されてエンジンに送り込まれます。 従って排気には油が含まれるので被るのは避けましょう。(^0^;)

排気ノズルは過熱管に隠れていますが、通風ノズルが見えています。

後になりましたが、この機関車はGWR Castleです。

この Castle は設計者が移籍した別の鐵道会社で更に高性能な機関車に進化しました。

Dc060558

 エア走行テスト状態のCastle進化系機関車の LMS Duchess です。ボイラーが無いので走り装置の全体像が見えます。 ステンレス製の過熱管、集配管と外部シリンダへの給気管、二組の排気ノズルが見えています。

完成後の煙室を覗き込むとこの様になっています。排気ノズル、通風ノズルが二組あります。上部に二組ある煙突の下端が見えています。 奥は過熱管です。

Dc071816

この英国最強力の機関車と云われた LMS Duchess の煙室は実物同様に作ってあります。実機に忠実に再現したこの模型も優美ながらかなり強力な機関車です。

次に紹介する機関車のものは更に特徴ある排気装置です。

Dscn4064

三気筒エンジンをもつ Southen Spamcan の排気ノズルです。三基のエンジンの排気を集め、四つのノズルから噴き出します。この箇所は大きな煙室の中の更に小さな煙室内に封じ込めるのでこれが見えるのはかなり初期の組込み段階です。二本の角は通風ノズルです。

この小型煙室を中心に機関車としての完成一歩前の姿は次のようになります。

Dscn4065 これは小型煙室をボイラーに装着し燃焼系を密封したところです。

そして更に外部シリンダーへの給気管と上部から二系統の潤滑油配管を付けるとほぼ完成です。

見かけはのっぺりとした機関車ですが中味は何から何まで変わっている機関車です。実機での弁装置は密閉された筐体に入れられていますが、この模型ではそのイメージを再現してあります。

Dscn7914

 走行性能も排気音も含めかなり強力な機関車です。このSpamcanの構造を詳しくご覧になりたい方はHomepageをご笑覧ください。 Dscn4082

今回は何となく「なぞなぞ」で始めたのですが、いつの間にか煙室と内部構造物についてのお話になってしまいました。

 やはり何だかよく分からない機関車が好きのようで変わっているねと云われるのも我ながら納得です。

さて、模型ののんびりした話とは違って明日は故郷から現れる幼馴染みに会いに行きます。久し振りなので楽しみです。更に一緒集まる方々にお会いするのも楽しみにしています。でもお仕事らしきことが絡むのでしょうね。隠居にはちと重いことかも知れませんけど。


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