スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

農林水産省賞典中山大障害&数的区別でない区別

2020-12-26 18:54:56 | 中央競馬
 第143回中山大障害
 発馬直後はストレートパンチとビッグスモーキーが並んで逃げる形。ストレートパンチの方が単独のハナに立ち,ブライトクォーツ,シンキングダンサー,ビッグスモーキーという順になりました。大竹柵でシンキングダンサーがストレートパンチに並び掛け,その2頭で3馬身くらいのリードに。3番手にはケンホファヴァルトが上がってきて,4番手にブライトクォーツ。その後の逆回りコースでシンキングダンサーが単独の先頭になり,4馬身くらいのリードで大生垣に。2番手はケンホファヴァルトで内からメイショウダッサイが3番手まで進出。
 最終周回の向正面に入るとシンキングダンサーとケンホファヴァルトは併走となり,4馬身差でメイショウダッサイ。4番手にブライトクォーツ。最終コーナーの手前でケンホファヴァルトが単独の先頭に立ち,そのまま直線に。追い上げてきたメイショウダッサイは勢い余って最終コーナーで外に膨れましたが,直線は馬場の中央からよく伸び,粘るケンホファヴァルトを差し切って優勝。ケンホファヴァルトが1馬身4分の3差で2着。外埒に近いくらいの大外から一気に追い込んできたタガノエスプレッソがクビ差で3着。最終コーナーでやや不利を受ける形になったブライトクォーツは1馬身半差で4着。
 優勝したメイショウダッサイは重賞3勝目で大レース初制覇。ここはこれまでのレースの内容から,この馬とブライトクォーツの2頭が有力ではないかとみていました。昨年の中山大障害ではブライトクォーツが,今年の中山グランドジャンプではこちらが先着していたのですが,昨年の中山大障害が良馬場で今年の中山グランドジャンプは不良馬場でしたので,今日の馬場状態からはまたブライトクォーツが先着するというケースもあり得るとみていたのですが,この結果からみる限り,今年に入って力関係が逆転していたとみるのがよさそうです。ただこちらの方が年長ですから,この関係が来年以降も続くかどうかは微妙なところもあるかもしれません。父はスズカマンボ。母のふたつ上の半姉に2002年にフェアリーステークスを勝ったホワイトカーニバル。獺祭は日本酒のブランド名。
 騎乗した森一馬騎手はデビューから9年9ヶ月半で大レース初勝利。管理している飯田祐史調教師は開業から6年9ヶ月半で大レース初勝利。

 スピノザはシュラーGeorg Hermann Schullerに宛てた,事実上はチルンハウスEhrenfried Walther von Tschirnhausに宛てた書簡六十四の中で,延長の属性Extensionis attributumについては直接無限様態と間接無限様態を示しています。それによれば,延長の属性の直接無限様態は運動motusと静止quiesで,間接無限様態は同一に止まる全宇宙の姿facies totius Universiです。このとき,運動と静止が全宇宙の姿といかなる区別distinguereによって区別されるのかといえば,様態的区別です。これは,同じ属性attributumに属する様態間の区別を様態的区別であるということから明白ですが,ここでは次のように説明します。
                                        
 第一部定理二二が意味しているのは,ある属性の間接無限様態の起成原因causa efficiensはその属性の直接無限様態であるということです。したがってこれを延長の属性に当て嵌めれば,全宇宙の姿の原因は運動と静止であることになります。次に,第一部公理四が意味しているのは,結果effectusの認識cognitioは原因の認識に依存している,いい換えれば,結果を十全に認識するcognoscereためにはその結果の起成原因が十全に認識されていなければならないということです。よって,全宇宙の姿の十全な観念idea adaequataが何らかの知性intellectusのうちにあるとした場合は,その同じ知性のうちに運動と静止の十全な観念があるのでなければなりません。また逆に,運動と静止をある知性が十全に認識した場合には,その知性は全宇宙の姿を十全に認識するということになります。このとき,全宇宙の姿と運動と静止の関係は,第一部公理五には該当していないということになります。いい換えれば,全宇宙の姿と運動と静止との間には,ある共通点があるということになります。共通点を有する様態間の区別は実在的区別ではなく様態的区別でなければなりません。そしてこの関係は,延長の属性にだけ該当するわけではなく,すべての属性に該当します。したがって一般的に,ある属性の直接無限様態とその属性の間接無限様態の区別は,実在的区別ではなく様態的区別であるということが帰結します。
 直接無限様態も間接無限様態も,有限finitumではなく無限infinitumです。したがって,無限であるものの間の区別,いい換えれば数的区別ではないような区別のすべてが実在的区別であるというわけではありません。ですが,実体substantiaの場合にはこのことは妥当しないのです。
コメント
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