変異によって弱毒株が生じたとしよう
既に生じているのかも知れない
だが 弱毒株への「置き換え」が起きるメカニズムは存在しないし 誰も説明できない
弱毒株であれば症状そのものも軽くなるわけで 結果的に感染能力自体も低くなるはずであり 置き換えが生ずる可能性は極めて低くなる
アナウサギに対するミクソーマウイルスが弱毒株への「置き換わり」が生じたのは 致死率95%にも達する強毒性によって密が解消した結果 死なずに済んだ弱毒株だけが残ったからである
このメカニズムが人間社会で生じるためには 一旦人口の95%以上が死滅するほどの強毒株への「置き換わり」進化による強制的な物理的「密の解消」を必要とする
膨大な大量死が起きれば 密が解消し 結果的に弱毒株だけが残って共生が起こりうる可能性はあるものの
弱毒共生への置き換わりが成功し「遺伝的進化」が達成される保証は何もない
アナウサギの場合は繁殖力がヒトとは比べ物にならないので 致死率50%でも共生可能になるが ヒトの場合はそうはいかずに絶滅する可能性の方が圧倒的に高い
現状問題になっているデルタ株であっても致死率は数%に過ぎないのである
構造的に密が解消するほどの致死率に一度なってしまえば 医療崩壊どころが文明ごと崩壊する
文明が崩壊すれば もはや自給自足生活に戻らざるを得ず 現代医療による治療は一切期待できなくなり 致死率が少しくらい下がっても絶滅は不可避である
遺伝的進化というものは 個体の存在価値なんぞどうでもよくて 大量に死滅しても一部が生き残りさえすれば「種の保存」として成立することになる
生物や その遺伝的進化というものは 「全部が死滅していなければ生物」という「結果」だけであって その先にそれ以上の何らかの意味だの意図「目的」だのが存在するわけではない
イワシは他の魚にほとんど捕食されてしまうが それを上回る強力な増殖力によって絶滅せずに「種の保存」が成立しているのであって 過酷な自然環境における生態系のピラミッドというのは常に弱肉強食の過酷な喰い合いによってのみ 結果的に環境調和や恒常性に至っているに過ぎず
これを人間社会に適応するというのは狂人の発想である
「知識のエコシステムを生態系のピラミッドになぞらえれば」などと言い出した時点で狂人確定なのだが バカだとそれが認識できずに鵜呑みにする
遺伝的進化というものは 膨大な「失敗」の果てに偶発的に「成功」した結果だけしか観測することが構造的にできないため 論理科学的に考えることのできないバカなら「進化は人間よりも賢い」などという話でも鵜呑みにできるのだろうが
これはバカすぎる
もし遺伝的進化のアルゴリズムによって人間社会を「進化」させるというのであれば 膨大な失敗の果てに偶発的に起きる成功に期待しているだけであって 成功する保証はなく 全てが失敗して絶滅する確率の方が圧倒的に高い
「バカ」と「バカでないヒト」が混在している社会において バカでないヒトだけに「置き換わり」が生ずるメカニズムは存在しない だから バカはいつまでもいなくならない
むしろバカ同士で少数派を民族浄化してしまえば バカ以外への強力な淘汰圧力にしかならない
バカへの進化(置き換わり)しか生じないのである
ナチスに迎合したハイデガーは生き残り 反対したベンヤミンはスイス山中で自決せざるを得なかった
体制を批判したキェルケゴールも野垂れ死にしなければならなかった
ヒトは 先天的に少数派を抹殺して多数派で同調して安心したがる習性があるため
内部告発者などの「正直者」はバカを見るようなバイアスが先天的に組み込まれているのである
本当に怖がらなければならないのは デルタ株やラムダ株のさらに変異した手のつけられない絶滅株であって
「ワクチン怖い」などという糞しょうもないデマに撹乱されている暇は本当はないのである
バカは主観的気分で安心か恐怖かでしか判断できないが それは本当の危険性を見分けることができない原因でもある
本当の「危険性」というものは ウイルスにあるのではなく ヒトの先天的な頭の悪さにこそ存在するのであり
一人のバカのせいで大勢の人が巻き込まれる「人災」が最も恐れるべき危険性なのである
津波は天災だが 原発事故は人災であり
ウイルス変異は天災だが 感染防止を怠ったために起こる医療崩壊は人災なのである
Ende;