簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

乗り間違い(JR乗り潰しの旅)

2013-10-28 | Weblog
 運転席の後ろに、しがみ付くようにして立っているおばあちゃんが、何か
運転士に話しかけている。運転中の乗務員は、振り返ることも出来ず、前を
向いたまま何か答えているようだが、おばあちゃんには話がうまく伝わって
いない様子。



 時折電車の揺れに合わせて、おばあちゃんも大きく右に左に揺れ動き、
危なっかしくて見てはいられない。



 見かねて席を立ち、腕をつかみ「危ないから・」と、兎に角席に着かせ、話
を聞いてみる。
「私、弘前に行きたいんだよぅ・・」と、どうやら乗る電車を間違えたらしい。
「見たことない景色ばっかりで・・・」と不安を訴え、「どうして間違えちゃった
んだろ・・・」としきりに自分を責めている。



 その様子を見かねたのか、前に座っている二人のご婦人から、「おばあち
ゃんの間違えたの、私、わかるよ」と助け舟が出る。 つい先ほど「海峡線の
列車よね?」と確認し合いながら乗り込んできた二人だ。



 聞けば以前、海峡線の列車は5番・6番線のホームから出ていたらしい。
それが新青森駅の開業に合わせ、ここ青森駅での発着番線の再整備・変
更が行われ、いまは3番線の発車に変わっている。



 「久しぶりに出て来たら、わからなくって・・・」と件のご婦人方も言う。
「車掌に・・・」というおばあちゃんを、「代わりに聞いてくるからと・・・」座席に
押し付け、最後部(と言っても2両編成だが)の車掌室に行き、代わりに事情
を説明するのである。(続)






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