再び歩いて大沢温泉口まで戻るつもりであったが、この野天風呂前のバス停に
少しすると松崎行きのバスが来ると教えられ待つことにした。
運よく日に5本程度しか入ってこないバスに巡り合えたようだ。
これからそのバスに乗って半島西海岸の松崎を目指す。30分ほどの行程である。
伊豆半島南西部、いわゆる西海岸に位置する松崎町は人口七千人余りの小さ
な町である。
那賀川下流域に開けた平野が広がる町のキャッチフレーズは「花とロマンの里」。
町内では田圃を使った花畑での花摘みや、町を取り囲む山々のツツジやシャク
ナゲが知られていて、立ち寄った大沢温泉の周辺は、桜の名所の一つらしく、他
にも桜の名所がいくつかあるらしい。
そんなことからか、桜餅に使われる塩漬け桜葉の生産シェアは全国一で、七割
を超えているというから驚かされる。
町中には松崎温泉があり、他にも雲見温泉、石部温泉や立ち寄った大沢温泉な
ど豊富ないで湯に恵まれたちころでもある。
また町の中心部には、懐かしい明治の面影を残す町並みが有り、中でも見もの
は、なまこ壁を張り巡らした古い家屋敷や漆喰を使った鏝絵で、これらは町中のい
たるところで目にすることが出来る。
那珂川の畔に建つ「明治商家 中瀬邸」は、明治の初期に建てられた呉服商の
建物で、今では町の観光案内や資料館などインフォメーションセンターとなってい
て、観光の拠点となっている。(続)
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