簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

昭和ノスタルジーの町 (赤穂線・乗潰しの旅)

2020-05-25 | Weblog


 西大寺の町中を、岡山県三大河川の一つ、吉井川が悠然と流れている。
古くから海運が栄えた川で、上流の津山あたりの物資は高瀬舟により、
この地の川湊に集められここから瀬戸内海を通り各地に運ばれたと言う。



 江戸は慶長年間に当地を訪れた角倉了以は、この川を運行する高瀬舟
の賑わいを見て大いに驚いて、「百川皆舟を通すべし」として全国の川
浚えを始めたとの逸話も残されている。
(「赤磐郡誌」岡山県赤磐郡教育委員会編 昭和15年)



 その川岸にある「金陵山西大寺観音院」の境内から少し北に向かった
先にあるのが、古くからの「五福通り」である。
「五福」とは人生に於ける五つの幸福のことで、西大寺の裸祭は、五福
をもたらすと言われる「宝木(しんぎ)」を奪いあう祭で、通りもこの
ように呼ばれるようになったらしい。



 今は人通りも少なく、すっかり寂れてしまっているが、吉井川水運の
問屋町として栄えた歴史ある町で、観音院の門前町と共に商都としての
西大寺を支えてきた。
通りには日本家屋の前面を洋風にした看板建築が立ち並び、古き良き昭
和の時代の面影を残す風情が色濃く残っている。
近年の調査では、江戸時代に建てられた家屋も何軒か確認されている。



 昔ながらの町並では、「ALWAYS三丁目の夕日’64」「魔女の宅急便」
(実写版)、NHKのドラマ「とんび」など、映画やTVドラマなどの舞台
として撮影に使われている。
最近では古い建物を生かした店も増え、数年前から昭和レトロをテーマ
とした「レトロ・マルシェ」などのイベントが開催され、新たな町おこ
しが動き始めている。(続)






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