簾 満月「バスの助手席」

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桜の名所・餘慶寺(赤穂線・乗潰しの旅)

2020-05-27 | Weblog
 赤穂線の列車が西大寺の駅を出て市街地を抜け、吉井川の橋梁を渡る
ころ、前方の標高60mほどの小高い山を見ると、その頂の木立の間にお
寺の塔と伽藍の大屋根が見え隠れしている。



 ここは「上寺山・餘慶寺」と言い、地元では「うえてら」と呼び親し
まれ、県内でも有数な桜の名所として知られるところだ。
開基は古く天平勝宝元年と言い、当時は備前四十八ケ寺の一つとして繁
栄を極めた1200年余りの歴史を誇る古刹である。



 ここには、「一山一寺多院制」の形が残されている。
一時は源平戦乱の兵火を受け衰退したが、その後は次第に復興が進み、
江戸時代には池田藩の庇護により栄え、最盛時には7院13坊を数えた。



 山全体を一つの寺として、境内には本堂(国指定の重要文化財)をはじ
め、薬師堂、三重塔(県指定文化財)、地蔵堂などが建ち並び、合わせて
僧侶たちの住まいである「院」が6院も残されていて、それらは県下でも
屈指の大伽藍を構成していると言われている。
また隣接地には豊原北島神社をはじめ、愛宕社、日吉社などの社もあり、
神仏習合の姿が今に留められている。



 寺に向かう参道や、広い境内にはサクラが植えられ、花の咲く3月下
旬から4月上旬にはさくらまつりが行われる。
この頃になると、桜の木の下のヤマブキも黄色い花をつけ、薄桃色と黄
色の競演を楽しむことが出来る。



 境内からは西大寺の町と、吉井川の流れが一望で是も見どころである。
このほかにもミツバツツジやアジサイなども多く、ここは「山陽花の寺 
16番札所」としても知られている。
また近年本堂周辺には、ハスやスイレンの鉢植えが並べられ、夏の頃に
はそれらの花も楽しめるようになった。(続)





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コメント
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