岡山の路面電車の開通を支えたのは、地元の篤志家を初め、多くは
神戸の資本家や実業家であった。
明治39(1906)年130名余りの発起人により「岡山電気軌道」が設立
されたが、当時その中の岡山関係者は1割程度しかいなかったらしい。
当時の本社と車庫は、上之町1丁目、現在のオリエント美術館のある
辺りに置かれた。
当初の車輌は12両による運行で、運賃は4銭であったと伝えられている。
その後大正時代末期には、本社と車庫が旭東線の終点の東山に移された。
路線名も東山線と変更になり、これでようやく現在の形が整った。
その後の路面電車は、市民の気軽な足として、ピークと言われる昭和
30年代には、65の都市で活躍をし、総延長は1497㎞と言われている。
しかし今日では、18都市19路線と減り、その距離も237㎞余りと桁違い
に短くなった。
岡電の実績でも最盛時は年間一千万を越える人々の足として使われて
いたようだが、今日では300万人程度と言われている。
ノスタルジック型式の路面電車には、色鮮やかに多彩な広告デザイン
も施されている。様々な形や色彩の車輌が、のんびり市内を走る姿は、
見ても乗っても楽しいものだ。
特に超低床型の「MOMO」、市内では最古の車両をリニューアルした
「KURIO」、和歌山電鉄ゆかりの「たま電車」や、別途料金が必要にな
るが、「おかでんチャギントン電車」が人気だ。
車内で購入が可能な、便利でお得な「1日乗車券」を、大人400円、
子供200円で販売している。
これには「夢二郷土美術館」「オリエント美術館」などの入館割引や、
沿線施設での飲食割引などの特典もついている。
時には一日乗廻しを楽しむのも良いだろう。(続)
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