田圃の中の直線道を歩き北脇の集落に入ると、中之町の交差点角に、
「料亭 米新楼」の看板を掲げた建物が有る。
以前は料亭らしく、今は仕出し・宅配弁当屋さんのようだ。
嘗ての茅葺き屋根を、瓦に葺き替えたような、堂々とした大屋根を
持つ建物で、奥にも棟が見える。説明によるとここには水口脇本陣の
建物の一部が、移築されていると言う。
先に進むと左手に柏木小学校があり、向かい側の公民館の敷地にモニ
ュメント化した火の見櫓が再現されていた。
北脇縄手は手入れの行き届いた美しい松並木が続いていたらしいが、
今日松は殆どが伐採されていて、この学校前に二三見られるだけだ。
その先の泉地区まで来ると、集落は道路の南側に集まっていて、反対
の北側は広々と開けた田圃や畑になっている。そんな畑中に「五重相伝」
と書かれた立札と吹き流しを目にするようになる。
気になって「五重相伝」を調べてみると、「浄土宗鎮西派で、宗義の
秘奥を相伝する儀式」「浄土宗の教えを五つの順序にのっとって伝える
法会」とある。
「五重」には、「お念仏の教えの中でも、特に重要な五つの要点」と、
「お念仏の教えの基礎から一つずつ積み重ねて神髄に至る」の意味があ
るといわれているらしい。良く分からないが、この先の泉地区にある淨
品寺(じょうぼんじ)の重要な儀式らしい。
再び道路の両側に賑やかな家並みが戻って来ると、中ほどに泉公民館が
あり、先の集落の外れに近い地の右奥に泉福寺と淨品寺が並び立っていた。
ここは立寄ることも無く先を急ぐ。
畷はこの辺りまで来ると、ようやく緩く左にカーブし始める。(続)
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