簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

美人の湯(JR乗り潰しの旅・吾妻線)

2020-01-08 | Weblog

 線路沿いに国道353号線が通り抜け、その向こうは緑濃い山肌が道路
脇まで迫っている。駅周辺には多少の工場や住宅などの大小建物がある
ものの、その周りは稲刈りを終えた田んぼが広がっている。



 小野上温泉駅は文字通り小野上温泉の玄関駅で、駅前には、「美人
の湯 ようこそ小野上温泉へ」の立て看板も見られる。
ここは古くから吾妻川河畔に湧く「塩川鉱泉」があり、傷に効く名湯
として知られていたが、何時しか衰退してしまった。



 昭和53(1978)年この地で44.5度の自噴温泉が発見され、その2年後、
住民の憩いの場として開業したのが小野上温泉センター「さちのゆ」で
ある。公設の日帰り温泉施設としては全国に先駆けて開業したものだ。



 その後規模の大きな温泉施設との要望も有り、新たに50.4度の源泉を
掘り当て、温泉センターは元より、周辺の旅館民宿に分湯して、そのと
ろみのある泉質、ナトリウム-塩化物温泉から「美人の湯」として売り
出した。



 平成に入り、「塩川温泉」から「小野上温泉」と名称変更し、温泉
センターもリニューアルされ、周りには飲泉場や足湯、地元の農産物を
直売するふれあい市場等が整備されている。
また宿泊にはそのすぐ近くに、渋川市の委託で営業するリーズナブルな
公共の宿「SUNおのがみ」を始め、幾つかの旅館民宿も点在している。



 町を歩けば吾妻川が流れる静かで長閑な風景が出迎えてくれる。
そこには河川敷を利用し、広々と広がる運動施設を併設した「小野上
温泉公園」もある。


 
 賑やかな歓楽な温泉街が有るわけでは無いが豊かな自然に包まれて、
心静かに温泉を楽しむにはもってこいの場所である。(続)



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小野上温泉駅(JR乗り潰しの旅・吾妻線)

2020-01-06 | Weblog

 高崎から乗車した電車は、渋川で上越線と分かれ、吾妻線に入る。
やがて車窓の右手に路線名の由来ともなっている吾妻川が寄り添って
くるが、まだこの辺りでは町並が続き見通すことは出来ない。

 それでも金島駅の先で、上越新幹線の高架を潜る辺りまで来ると、
山や川や田畑等の豊かな自然が車窓を楽しませてくれる。
祖母島駅を出て、吾妻川を橋梁で越えその左岸に出ると川がより近く
なり、やがて渋川からは20分ほどで小野上温泉駅に到着する。





 平成4(1992)年に地元の強い要望で開業した、吾妻線では最も新しい
駅である。駅周辺の集落の人たちは、これまでは一つ手前の2キロほどの
距離のある小野上駅を利用していたが、開業により大層便利になった。
とは言え元々大きな集落が有るわけでも無いので、乗降客はさほど多くは
ないという。

 ここは幅2メートルほどの長い単式ホームが1面有るだけの無人駅だ。
何の設備もない大層長いホームは、その幅と比べると何だかアンバランス
の様に思うが、これは沿線を走る長編成の特急列車などの対応を考慮した
ものであろう。そのすぐ前を国道353号線が流れている。





 木造平屋建ての駅舎は、指定管理者により管理されている。
その為、張り紙によると午前9時から午後5時までの営業となっていて、
営業時間外は閉じられている。従ってこの間の駅利用者は、駅舎を通り
抜けることなく横に設けられたスロープによりホームに直接上がる構造
になっている。





 駅は地元の活性化センターを兼ねていて、待合室、特産物直売所等が
有る。その為か掃除も良く行き届いているようで、駅前も多くの植木や
草花で、綺麗に飾られていて、とても気持ちの良い駅だ。(続)



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伊香保温泉・榛名湖口駅(JR乗り潰しの旅・吾妻線)

2020-01-03 | Weblog

 吾妻線の起点である渋川駅は、1面1線の単式ホームと1面2線の
島式ホームを持つ駅で、上越線の途中駅でもある。
沿線やその近辺には、温泉が多く、その為かこの駅も「伊香保温泉・
榛名湖口」と言う副駅名が付けられている。



 その名の通り、ここは石段街の風情が人気の伊香保温泉の玄関駅だ。
駅前からは温泉行きのバスが頻発し、所要時間は25分ほどだ。
関東方面から運行される、この沿線に有る有名処の温泉行きバスの多く
が、この駅前には立ち寄っている。



 鉄道乗り潰し旅の場合レンタカーを使うことはまず無いが、観光旅行
では効率的に、機動的に巡るため、しばしばレンタカーを使う。
以前ここを中心に二泊三日の予定で、谷川岳ロープウエー、法師温泉、
猿ヶ京温泉や伊香保温泉等を巡った折はこの駅前でレンタカーを借りた。



 何れの場所も、鉄道を使い、最寄り駅からバスの便もある。
しかし鉄道はともかく、バスは便数の少ないところもあり、鉄道とバス、
あるいはバス同士を乗り継ぐ接続も、決して良い所ばかりではない。



 そんなわけでレンタカーを利用したが、二泊三日の料金は、ガソリン
代(3,000円余り)を含めて15、000円程であった。
公共交通機関の乗り継ぎでは、これだけの行程を、この日程ではこなす
ことは到底できず、場合によってはどこかでもう一泊しなければならな
く成る事を考えると決して高いものでは無いと思う。
特に二三人の旅なら、バス代と比べても遜色はない。



 レンタカーは鉄道と組み合わせたり、ネット予約などの割引も有り、
時にそれらを上手く使えば、旅先での行動範囲を格段に広げることも出
来るし、しかも安くあげられる場合もある。(続)





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吾妻線(JR乗り潰しの旅・吾妻線)

2020-01-01 | Weblog

 群馬県の渋川と大前の間を18駅で結ぶ55.6㎞の路線が吾妻線である。
一般的には鉄道路線名は、起点と終点駅から文字を取る、沿線の中心的
な駅名を用いるとかが多いようだが、ここは路線に沿うように流れる吾
妻川や、旧国名である吾妻郡を走る鉄道として名付けられたようだ。





 沿線は利根川の支流の吾妻川に沿って山に向かう。途中の岩島から
川原湯温泉間は左手に吾妻渓谷と呼ばれる景観が続くが、鉄路は八ッ
場トンネル(4489m)を抜けるので、残念ながら車窓から楽しむこと
が出来ない。
そこは八ッ場ダムにより付け替えが行われた区間で、トンネルが連続
している。その内の一つが日本一短い7.2mの樽沢トンネルらしいが、
気がつかないうちに通り過ぎてしまう。





 路線の歴史を調べると、元々は鉄などの鉱石輸送を担った国鉄の長野
原線や会社線として、渋川と長野原の間で1945(昭和20)年開業したと
あり、当初は貨物営業のみだった。
旅客の営業は渋川と中之条の間で最初に行われ、その後も順次伸ばされ、
1年後には長野原まで行われている。
その後長野原・太子間が昭和27年に開通し、旅客営業も行われていたが、
昭和46年にこの間は廃止された。
同年には長野原と大前間が開通して現在の路線になっている。





 この線の起点は渋川駅であるが、ここを始発・終着とする列車は設定
されていない、全列車が高崎や新前橋と結ばれている。
凡そ1時間に1本の設定で終点の大前迄行く列車は朝夕しかなく、殆ど
が一つ手前の万座・鹿沢口駅止まりである。首都圏と直結する上野始発
着の特急・草津が、長野原草津口駅まで乗り入れている。(続)



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