カレーなる日々 / शानदार दिन

インドの日常を中心に日々を綴っています。

ザ・ハリケーン

2008年02月25日 23時59分59秒 | 映画 / MOVIE
ザ・ハリケーン

東宝ビデオ

このアイテムの詳細を見る


「ハリケーン」と言う名前のボクサーがいた。
本名は、ルービン・カーターと言う。

ルービン・カーター事件と言えば、
アメリカの冤罪事件の中でも有名である。

1937年5月6日、ニュージャージー州のクリフトン生まれ。
激しい人種差別の時代背景もあって
11歳の時に初めて警察のお世話になったルービンは、
黒人であるがゆえに重い刑に処せられる。

8年後、脱走したルービンは軍隊に入隊した。
そこでボクシングのウェルター級チャンピオンになり、
「ルービン・ハリケーン・カーター」となった。

その後、プロボクサーになるために軍隊を辞め、
故郷に戻ったところ、警察に見つかり逮捕された。
独房の中で彼はボクシングのトレーニングに明け暮れ、
出所後にみごと世界チャンピオンになった。

しかし、対戦相手が白人選手の場合は、
KOしない限り・・・どんなに明確にリードしていても、
判定負けにされてしまった。これに比べれば・・・
現在のホームタウン・デショジョンなんて可愛いものだろう。

         

そんな1966年6月17日、事件は起こった。
ニュージャージー州パターソンの、あるバーで4人が射殺された。
偶然その近くにいたルービンと知人は、
犯人の車と似た白い乗用車に乗っていたため逮捕されてしまった。

しかも昔ルービンを逮捕した警官の圧力で、
証人は証言をねじ曲げ、証拠は書き変えられてしまった。
そして差別的な白人だけの陪審員達により有罪にされ、
終身刑の判決を受けた。

無実のルービンは、獄中で自伝『The 16th Round』を書いた。
ムハメッド・アリやボブ・ディランや善意の人々が、
彼の無罪を唱えたが・・再審は認められず、
やがて風化し忘れられてしまった。

The 16th Round: From Number 1 Contender to #45472 (Putnam)

Penguin Putnam

このアイテムの詳細を見る


カナダのトロントに住むレズラ・マーティンという黒人少年が、
古本市で『The 16th Round』を見つけルービンに手紙を送った。
諦めかけていたルービンに、かすかな希望の灯がともった。
レズラの保護者であるリサ、テリー、サムも賛同し、
釈放運動のために立ち上がる。

1985年11月7日、連邦最高裁判所での一か八かの戦いで、
無罪を勝ち取ったのであった。

          

ザ・ハリケーン
サム チェイトン,テリー スウィントン
角川書店

このアイテムの詳細を見る


   
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする