カレーなる日々 / शानदार दिन

インドの日常を中心に日々を綴っています。

~シティ・オブ・ジョイ~

2022年02月14日 21時17分59秒 | 映画 / MOVIE

1992年のイギリスとフランスの合作作品で、
フランスのドミニク・ラピエール原作。

今回4Kデジタル・リマスター版として公開されたが、
当時「ゴースト/ニューヨークの幻」で人気絶頂であった、
パトリック・スウェイジが脚本に惚れ込みノーギャラで出演したと言う。
パトリックは2009年に膵臓癌で死去したが、
今年は生誕70周年でもある。

  <ストーリー> 

アメリカ人の医師マックス(パトリック・スウェイジ)は、
1人の少女の命を救えなかった事で絶望し医者を辞め、
インドのカルカッタにやって来る。

ビハール州の貧しい農民ハザリ(オーム・プリ)は、
2年間の飢饉で年貢が払えなくなり老いた両親を残して、
妻のカムラ(シャバナ・アズミ)と娘のアムリタ
(アイーシャ・ダルカール)と二人の息子と共に、
仕事を求めてカルカッタへ向かう。

しかしハザリはなかなか仕事を見つける事ができなかった。
その上、騙されてなけなしのお金まで奪われてしまう。

ある夜、酔って悪者に痛めつけられたマックスをハザリが助け、
スラム街(シティ・オブ・ジョイ=歓喜の街)にある、
ジョアン(ポーリーン・コリンズ)が経営する診療所へ、
連れて行く。ハザリは人力車の運転を買って出て、
マックスをホテルまで送り、人力車夫の紹介で仕事にありつく。

パスポートをなくしお金も尽きたマックスはジョアンを
手伝いハザリやスラム街の人々と交流していく。

地主の息子アショーク(アート・マリック)はジョアンを
はじめスラムの人々を苦しめていたが、マックスは人々に
プライドを持って立ち向かう事を教える。

度重なるアショークの妨害で恐怖と権力に屈しそうになるが、
マックスは人々を励まし続け、自身も立ち直っていく。

洪水の日に人々を助けたマックスは、スラムで生活を
続ける事を決心する。

ハザリの娘アムリタは工場主の息子に見初められ、
ハザリは持参金を工面するために結核を患いながらも、
精一杯働きなんとか結婚式を挙げさせる。

 

 

 インドのバックグラウンドを知っている人が見れば、
 違和感がある所もあるのであるが、良い作品である。

 例えば・・・ビハール州はインドでも貧しい州の筆頭であり、
 農村の住民は英語教育を受けているはずもなくハザリ達が
 英語を話せるはずはない。スラムの住民達も同じである。

 ハザリの娘は自身が働く工場主の息子に見初められるが、
 カーストのあるインドでこのような格差婚はありえない。 
 現代でもそうなので30年前ならなおさらである。
 また工場主の親戚が持参金さえ工面できればと助け船を出すが、
 それもありえない。普通であれば先頭を切って反対するはず。
 ハザリも工場主に会いに行くが、普通であれば身分の違いを
 理由に娘を諫めるはずである。

 私はデリーでスラムツアーを催行していたので、
 スラム街には何度も行っているが、その様子は上手く
 描写されていたと思った。作りすぎてもいないし、
 貧しさや不潔さを誇張している事もなかった。
 人々も(お金を落としていく外国人と見ているからだと思うが)
 フレンドリーで親切である。

 4Kデジタルリマスター版でカルカッタ(現コルカタ)の街も、
 ハウラー橋もスラムの様子も綺麗に映っていた。

 この作品は以前から観たかったので非常に満足した。

コメント (2)
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