2015年発行の東野圭吾の小説でデビュー30周年記念作品。
ハリマテクスの社長:播磨和昌と妻の薫子の間には、
6歳の長女の瑞穂と4歳の生人の2人の子供がいたが、
和昌の浮気によって離婚寸前だった。
ある日、瑞穂は薫子の母:千鶴子に連れられて行ったプールで溺れ、
脳死判定を受けてしまう。ハリマテクスはBMI(ブレイン・マシン・
インターフェース)と言う脳と機械との間を取り持つ機械の開発を
していたため、夫婦は脳死を受け入れず植物状態となった瑞穂を
BMIによって動かす事を試みる。
瑞穂が小学校に入学したら離婚するつもりだった
和昌と薫子は別居はするが離婚を思い留まる。
薫子は瑞穂の死を受け入れられず、和昌の機械の進歩で
奇跡が起きて目を覚ますのではないかと言う期待を抱く。
和昌は瑞穂をBMIの開発のための研究材料としつつも、
同じように奇跡を信じる。
瑞穂は植物状態で3年間目を覚まさないまま生き続けるが、
脳死による内臓や脳の移植を認めるか、認めないか・・・
と言う活動者と出会い悩み続けて行く。
事故で瑞穂を脳死と判定された播磨夫妻が3年間でどう変わるのか、
家族や親せき、周りの人々はどうなのか。
子供の臓器移植については、日本国内ではいろいろな問題があり、
海外での移植手術を望む家族が億単位の費用を捻出するために、
募金を募る話を聞いた事があるだろう。
そのあたりも書かれており、費用の事だけでなく、
立場による考え方の違いや、法律の話なども解る。
2018年に映画化された。キャストは播磨薫子役に篠原涼子、
和昌役に西島秀俊、千鶴子役に松坂慶子。