2024年に刊行された東野圭吾のブラックショーマンシリーズの第2弾。
2023年刊行の第1弾は長編だったが(未読であるが)、
第2弾は6作品を集めた短編集。
恵比寿のバー「トラップハンド」のマスター神尾武史は、
40代後半の元マジシャンである。姪の真世は30歳前後で、
建築会社でリフォームを担当している。
バーの顧客や真世の顧客たちが繰り広げるミステリアスな物語。
タイトルにあるように女性たちが主人公である。
真世に仕事を依頼する顧客にも一癖あったり
悩み事や巻き込まれているトラブルがあり、
相談を受けている武史がなんとかしようとするわけだ。
武史のキャラクターが面白い。
トリックを用いて観客を欺くのが商売だったわけで、
優れた洞察力もあるのだが、豊かな想像力を働かせたり、
時には探偵まがいの推理をしたり、芝居をしたりして、
依頼者を満足させてしまう。
本来なら第1弾から読みたかったのであるが、
図書館で借りているため、順番を待っていたら、
第2段の方が先に回ってきてしまったというわけだ。
短編を読んで主人公の人となりが判ったので、
第1弾は落ち着いて読む事ができそうだ。