雀の手箱

折々の記録と墨彩画

火山灰

2011年02月05日 | すずめの百踊り
 宮崎県と鹿児島県にまたがる霧島連山の新燃岳の噴火は一向に収まる気配をみせません。 専門家によれば、江戸時代の噴火の折は1716年から2年続いているし、ここ1,2週間はこうした爆発的な噴火は続くだろうと予測されています。さらには雨が降れば土石流の怖れもあると案じられています。

 宮崎県は都城に、弟達が茶道の手ほどきを受けた先生が住んでおられます。宮崎から車を駆って教えに見えていました。大胆でユニークな発想をなさる方で、花を活けても、茶席の花の常道とは異なる大きくみえる花で、仲秋の月見の茶会の折、納屋の前に据えた戸外の古い大八車の上に席をしつらえ、竹を切った篝火の灯りでお点前なさるような豪快な方です。

 お見舞の電話を入れた弟の話では、車の運転も、フロントガラスに降り積もる火山灰を払うことが出来ず、ライトを点けてののろのろ運転で困っておられるとのことでした。
 火山灰は硬いシリカやアルミナの成分が中心なので、ワイパーを作動させるとガラスに傷が入ってしまうようです。

 報道される2000メートルを超えて吹き上がる噴石を交えた黒々とした火山灰の禍々しい姿には恐れを感じます。夜もガラス戸が揺れ、不気味な音で落ち着けない暮しのようです。庭の山野草や多種の茶花も灰をかぶっていることでしょう。

 火山列島の上で暮らす日本人にとって、地震や噴火はいつ何処に突発するかわからない自然災害ながら、どう折り合いをつけていけばいいのか、宇宙開発がどんなに進んでも、まだまだ人智の及びもつかない現象、自然の脅威に振り回されることです。

 立春を迎えて、記録的な北国の豪雪も一息ついているようですが、庭で探した今年の蕗の薹は例年よりずっと小さく、寒にいためつけられて、しなびています。