雀の手箱

折々の記録と墨彩画

安心院散策

2011年02月27日 | 雀の足跡
 このところ4月上旬並といわれる気温に誘われてか、突然どこか近くの静かな温泉に出かけようと言い出して、久しぶりに別府に宿を取りました。平日のせいか、今日の明日でもOKでした。
 観海寺温泉の両築別邸です。眺望のよい杉乃井ホテルの裏側の山中のこじんまりした宿が海に向って建っています。初めての宿です。
 途中、安心院に寄り道していきたいというので、高速なら二時間とかからない距離ですが、4時前後にチエック・インと目算して、10時に出発しました。安心院(アジム)町は鏝絵や石造の文化遺産、石橋などで知られ、食べ物ではスッポンと、九州一のワイン用葡萄の産地でもあります。運転するほうには罪作りな土地柄です。
 耶馬溪から回ったこともあり、滝100選に選ばれた「東椎屋の滝」も夏のころには寄り道していました。

 いつもパスする安心院の京石を見たいと思っていた私は二つ返事での寄り道です。例のように観光協会に立ち寄り情報収集です。昼食時だったので今週はスッポンウイークで格安ですから是非と強く勧められました。私はどうしても姿を想像してしまい、味も淡白すぎだし、今夜の夕食を考えて敬遠しましたが、「道の駅でスッポン入りのうどんもありますよ」といわれて、それくらいならと付き合うことにしました。
 道の駅「小の岩の庄」は、ここにしかないという焼き栗を入り口で焼いており、焼き栗好きの連れ合いは早速購入、店内は溢れるほどの野菜が安価で引き止めるのをふりきってブロッコリーなどを仕入れました。
 私の注文のスッポン雑炊はさっぱりして、山里らしい山菜の漬物、笊豆腐が添えられ、スッポンは細切れが三切れであとは皮の部分がたっぷりでコラーゲン補給が出来ました。
 スッポン入りうどんのほうは、もう少しスッポンが余計に入っているようでした。

  食事の後、「佐田の京石」を目指しました。それは県道658号沿いに、未だに謎は解明されることなくあっけらかんと佇んでいました。米神山(475m)の登山道入り口を挟んで、右手には平成になって道路工事中発掘された同質の石を杉林の中に復元配置してあります。
 高さは2mから3mほどで、助石が見えているものもあり、人の手が加わっているのは確かです。
 「日本ミステリーゾーン・ガイド」学習研究社などにも紹介のある謎のストーンサークルです。石の林の中に立つと霊感とは縁の薄い私にも何かエネルギー様のパワーを感じるのは不思議な体験でした。
 出土品の中には弥生土器も含まれているとかで、何のための石柱群なのかいまだわからないようです。山頂に到るまで巨石が点在しているようですが、ロープを伝っての登山は、途中まででも、もう今の私には無理です。
謎の京石」に多数の写真があります。 


 安心院ICから別府ICまでは23キロぐらいで、時間があるので、鏝絵を見物していくことにして、町を散策しました。鏝絵は、左官が鏝を使って漆喰の上に創ったレリーフです。伊豆の長八に弟子入りした左官がその技法を持ち帰ってこの地で広めたものだそうで、いたって素朴な表現の中に、長寿、福寿、子孫繁栄、商売繁盛を願い、災厄を除く、庶民のいつの時代にも変わらぬ願いがこめられています。こちらの鏝絵は、後で上に彩色する伊豆の技法ではなく、漆喰の中に岩絵の具を直接練りこんで作っているので、外壁に施されています。
(安心院には約100箇所に点在、密集度では日本一 重松家別邸は、戸袋のほか開花の外壁にも大きな富士山が施されています)

 別府ICの手前の別府湾SAで、久しぶりだから別府湾のパノラマを眺めて行こうというので楽しみに立ち寄りましたが、僅かに国東半島と大分の工場群の煙突が霞の中に見えただけで、佐賀関は見えず、天気はよいのに残念でした。






京石も鏝絵も多数の画像をUPしたかったのですが、明日まででgooのバージョンが切り替えになりますので、割愛しました。