ステイホームの「鶏豚骨の塩そば」@イエ

さて、大型連休が始まった。日頃行けないところに遠出してみたいのはヤマヤマだけど、すぐ隣の京都府は緊急事態宣言中だし新型コロナ感染者は増加の一方。ということで、昨年同時期と同じくステイホームでじっくりとラーメン自作に取り組むことにした。まずは近くのスーパーで冷凍豚骨1kg 税込321円を購入。コレに加えて買い置き冷凍豚骨300gを追加し下茹で。
下茹でした豚骨を圧力鍋に移し注水。この後90分程加圧。加圧後寸胴に移し、家にいる間中は、キホン的に寸胴中に対流が起こる程度の火で静かに煮る。最初は豚骨だけの出汁を作ることにした。ある程度煮込んで火を止めた寸胴を翌朝見たら、現時点でのスープ材は豚拳骨だけなのにラード分が相当量出ていた。
今回はなるべくクリアな清湯を目指すつもりだったので、翌日さらに煮込んだ時に脂の酸化が進むのを避けるためラード分は除去。
豚骨出汁を煮込むのと同時進行でウイングチップ約850g税込259円を圧力鍋でふやかす。先の冷凍拳骨と合わせて、今回のスープ材の価格は(現時点で)580円。
5月3日朝、拳骨出汁とウイングチップ出汁を合わせたものを、今回作った醤油ダレと塩ダレで試食(麺は即席袋麺)。ううむ…どちらも味が決まらぬ。なんか、醤油も塩も、タレばっかりがカドカドしてる感じ。
5月4日朝、拳骨出汁とウイングチップ出汁を合わせてさらに弱火で煮出したものにネギ・生姜を適量投入し、いわゆる獣臭さを若干抑える。私の場合、煮込み始めから野菜を多用する作り方はしない。言い換えれば、野菜の使い方については無知なのだ。
長時間煮込んだ結果、清湯を目指したわりに濁った出汁を鶏ムネ挽肉で掃湯作戦に出る。
鶏挽肉に冷めた出汁を加え…
投入後、約30分。結果、思ったほどに透明にはならなかった。冷やした状態だとゼラチンぷるぷる状態まで煮出したのが原因?
5月2日、メンマは、塩蔵短冊の物を塩を水洗いして沸騰した湯にドボンし1時間。これを2セットで塩抜き完了。ほどほどのサイズにカット。
生姜を効かせた「秘伝の調味液(おろしショウガ、砂糖、醤油ダレ、酒を適量(すべて自分の感覚による目分量))」で炒め煮。前回製作時は味付けが弱かったため、今回はある程度明確な味付けを施してみた。
5月3日午前、製麺作業。今回は永井式製麺機でやることにした。トップバリュー強力粉を用いて加水率38%、ボーメ5度で蒙古王かんすいと塩を加える。
従前、水回し〜生地を捏ねる段階でそれなりの時間と労力を費やしていたが、フードプロセッサ導入で一気に時短化。自作「にゃみ式」による複合圧延は一回にとどめた。
結果、麺帯は上々の出来。エエ感じやw
出来上がった麺帯は、パスタマシンの1.5mm切刃でラーメンとしては標準的は中細麺にしようかとも思いつつ、結局、この永井式製麺機の番手15番相当の切刃で製麺することにした。
して、一玉150g強を6玉製麺。けっこうな中太麺に仕上がるんだなコレが!
5月3日午後、チャーシュー作り。今回はアメリカ産豚肩ロースに砂糖・醤油。味醂で味付けした調味液にしばらく浸したあと、炭火吊し焼きで作ってみることにした。低温調理レアチャーシューも、煮豚も、実際に作って見ればそれなりに魅力的なチャーシューにはなるが、個人的にはこの炭火吊し焼きが一番かな?と、近頃思うようになって来ている。今回はスモーカーの下にレンガを敷き、従前より炭火と肉塊を遠ざけてみた。こうしたらこうしたで、もう少し強い火力があったほうが良いようで、途中から炭&加熱時間を追加。このあたりの「ちょうどいい感じ」は、経験値を重ねることでしか見出せない気がする。
で、およそ2時間。うん。いい感じに焼き上がったかな。
また、炭火吊し焼きチャーシューとは別に鶏チャーシューも仕込む。コチラは滋賀県高島市「橋本かしわ店」飼育鶏のムネ肉に塩ダレ&水&柚子果汁を合わせた調味液に浸し、70℃×90分で低温調理。
で、5月4日の昼に試食。自分で作った麺が、果たしてどれぐらいの茹で時間が適切なのか、実際にやって見ないと分からないのは毎度のこと。今回の麺、グルテン組成が割と上手くいったようで、茹で時間4分でもまだ少し固茹でかなと思うほど。まさに、こういう麺を作りたかったんだよ。昨年の今頃を思えば、ずいぶん進歩したもんだと自画自賛(自己満足)。
して、コレが出来上がり図。
今回はとにかく弱火で長時間煮出した清湯スープを目標にしたが、結果的には「掃湯」の手法を使っても透明感のあるスープにはならなかった。その分、動物系出汁は十分に抽出出来たみたいで、冷ました時の煮凝り具合はハンパなかった。透明感ある「見た目」には失敗したが、味わい的には上手くいったかな。また、あれこれと足し算しすぎた醤油ダレはボツにして、出汁に塩だけ、あるいは醤油だけを掛け合わせたりして色々味見した結果、最終的には今回新たに仕込んだ塩ダレが最もいい塩梅だったので、結果的に「鶏豚骨の塩そば」とすることにした。そして「掃湯」に使った鶏胸挽肉は、出汁ガラといえど、後から味見してみればまだまだ旨みが残っていたため、調理時にラーメン鉢の底に仕込み、喫食後半の味変アイテムとして利用。食べてみると狙った通り、食べている途中からの旨味の増幅に貢献してくれた。
今回の麺、手揉みを加えて縮れ麺にしてもよかったかな?と、後から思ったりもしたが、永井式製麺機の切刃番手15番相当で切る中太麺は十分にインパクトのある食感になった。
生姜を効かせたメンマ、柚子果汁を効かせた低温調理鶏胸肉、豚肩ロースの炭火吊し焼きレアチャーシューは、基本のスープと麺を邪魔しない程度に香り、味わい、食感を担保出来た気がする。
【今回の成果】
徹底的に弱火&長時間煮出しに拘った結果、動物系出汁は十分に抽出出来た。
豚骨由来の脂は長時間煮込みで起きる酸化を未然に防ぐため、程々のところで除去したことが結果につながったかな?
具材の味付け・香り付け・食感について、一定のノウハウを掴むことができた。
麺については、その辺のスーパーで入手できる強力粉でも、まあまあ「強い麺」を作ることが出来た(この辺は手回し製麺機の威力)
【今回の課題】
「醤油ダレ」に、ことごとく失敗。足し算すれば良いという物ではない。(ってわかってながら、つい、やってしもうた)
結果的に「清湯」にはならなかったこと。(出汁、濃すぎた?)
旨味成分は動物系と、タレに含む昆布のみ、と、あまりに保守的な作りで、全く「冒険」がないこと。
また、究極の課題としては、
【いつでも味を変えることなく作れるメニューとして、レシピが定着していないこと】
….プロと、アマチュアの違いはココ。また、「原価率」というワードも含めて。(けど、今回は割と安く作れた。)
かつて、ラーメンサイトを始めた時に、「お店のラーメンの良し悪しをどうこういうなら、まず自分でちゃんとラーメンを作れるぐらいは、出来んとアカンでしょう。」と考えた。もう20年ほど昔のことだ。
次回は、今回とは逆に、動物系出汁を使うことなく海鮮系素材だけでスープを作ってみようかと、今のところは考えている。近所のスーパーに行けば、養殖鯛のアラなんか、結構安いし。
あ、そして、今回のラーメンはFBグループ「自作ラーメン研究会」を主宰する神田武郎氏に送り、試食していただいた

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