たけあき亭@自宅:チャーチキンラーメン清湯ver&鶏白湯ver

家に帰ると、クール宅急便が届いていた。お正月に滋賀のラーメンと食材探しツアーにご案内した「たけあきさん」からのいただきもの。そう。知る人ぞ知る、あの方のラーメン。

品名は「ぼちぼち美味しいラーメン」。ぼちぼち、かよ。ホンマか???

箱を開け、梱包用の新聞紙をとると、3人前の自作ラーメン試食キットだった。

さっそく、今晩の夕食としていただくことにし、チャーシューのスライスから取り掛かる。作り手お気に入りの製法で作られたチャーチキン(鶏チャーシュー)。鶏を炭火焼して醤油で炊いたものって、コレのことかな?

 

そんな手間隙のかかったチャーチキンを、厚すぎず、薄すぎず、ラーメンの具として載せた時にいい塩梅になることを念頭に置きながらスライス。

今回送っていただいた麺は中太の縮れ麺が二玉とストレート細麺ひと玉。中太縮れの方は清湯醤油に、細麺は鶏白湯のほうに、とのこと。

謎なのは、二つの中太縮れ麺の一つを包むビニール袋には「◯」印があるものと、ないものが。つまり、なにかが違うということらしい。しかし、作り手からの解説はナシ。食べて判断しろということ??で、「◯」印アリの方から茹でてみた。

麺を茹でるのと同時進行でラーメン鉢を温め、カエシを注ぐ。市販の生醤油を火入れしたのみ。化調なしとのこと。

続いて、油。スープ製作時に寸胴に浮いてくる鶏湯のみ。(加工なし)とのこと。

 

スープは白河ラーメンのような炊き方。豚は使わず名古屋コーチンの生ガラ(首胴ガラ)のみ。香味野菜も使わず。少しだけ追い昆布したものだと。

麺は茹で具合をを探りながら茹で時間3分で揚げた。後からわかったスペックに依れば、小麦粉は「特飛龍」(日清製粉の中華麺用準強力粉)のみで加水50%、塩1%、かんすい0.6%で、2ミリ切刃で、手揉みだそうな。そうか。2ミリの切刃で、こんな麺が作れるのか...。メンマはタケマン超熟を水戻し&煮出し後に、白胡椒、チャダレ、味醂、酒、三温糖で炒め煮したものだそうな。このラーメンは妻が食した。ちょっと味見させてもらうと、鶏の旨味と醤油の深みがジワーと効いた、素直な味わい。これにやれ香味油だスパイスだを入れるとまた変化に富ませることはいくらでもできそうだけど、わざわざそんな変化をつけることが勿体無く思える至極贅沢な味わい。そんな味だから、逆に営業用に利益率と客への惹きを念頭に置いて作られるお店のラーメンでは滅多に味わうことができないもの。やはり、自作ラーメンは(ちゃんと作ると)、ものすごいものなのだ。で、あのビニール袋の「◯」は、一体???

続いて、私がいただくことにした鶏白湯の調理に取り掛かる。鉢を温めた後、まず注ぐ塩ダレ。タレだけを舐めた時、塩の向こうにほんのりと節系の味わいが見えた。後から分かった作り手側のスペックに依れば、塩ダレは日高昆布、干しエビ、片口焼き干し、干し椎茸、本鰹荒節、味醂、酒、白醤油、濃口醤油、化調。寝かせずそのまま使用とのこと。(うおお!メッチャ凝りまくりの助やん!!)

清湯スープを漉し終えた名古屋コーチンの残りガラが勿体ないので、もうひと活用。そこに名古屋コーチンのモミジを追加して強火でガン炊き。モミジのアキレス腱が溶けてきたあたりで、愛知赤鶏の鶏油を投入。引き続きガン炊きして乳化促進させ、モミジのパーが外れたあたりで漉してスープの完成。とのこと。香味野菜等は一切使わない名古屋コーチンだけの白湯スープ...というだけで、すでに贅沢極まりないのではなかろうか。

鶏白湯用の細麺は茹で時間1分で揚げた。麺は麺遊記とはるきらりのブレンドで、加水40%、塩1.8%、かんすい1%の1.5ミリ切刃のストレート麺だそうな。(さっきからこうしてマメに書いているけど、自分がいただいたものがどのようにして作られているのかを記録して残しておきたいがためだ。)

具材は先ほどの清湯と共通。ネギは出来れば柔らかい九条ネギを合わせたかったが在庫がなかったため冷蔵庫にあった白ネギを流用。
 
鶏の旨味がむぅわ〜と押し寄せてくる素直な味。清湯と同様に、あれこれと細工をすれば、いかようにでも変化は付けられると思うが、そんな小細工よりも、味わいの根幹のところで、もう十分に美味い。40%の加水率のよる細麺はパツんとした食感としっかりした啜り込み感が持続する。(というより、食ってしまうのが早いのかもだが)
 
遅い時間に子が帰宅してから、三つ目の清湯を調理して食べさせた。麺は「◯」マークの無い方である。ん〜〜〜〜...確かに微妙な食感が違う「気がする」...。使った小麦粉が違うのか、かん水の加減か??? ワカラナイ....。
後からの種明かしによれば、「◯印」の方は、うどん打ちで、印なしは中華麺打ちだとのことだった。つまり、複合するか、しないか。と、あとはグルテンの形成方向、とのこと。(これはおそらく、麺帯を圧延する時の作業においてのことだろう) 。

ああ、やっぱり、究極のラーメン遊びがラーメン自作だと確信。お店で食べているだけでは分からないことがたくさん実感出来ることは非常に大きい。今回、自作ラーメン試食キットを送っていただいたことで、久しく忘れていた感覚が一気に戻ってきた感じがした。ラーメン鉢を温める 具材を刻む 出汁の味と カエシの味を確かめる たっぷりの湯に麺を泳がせる この麺の茹で時間、どれくらい???を思案しつつ茹でる で、あっという間に喰ってしまう。それが送られて来た側の楽しみ。それ以前に作り手側では、創意工夫と試行錯誤の限りを尽くした渾身の作を送りつける...。
こんな遊びを10年ほど前には無我夢中でやっていた。が、当時のなけなしの小遣いで買ったパスタマシン(安物)に低加水の麺帯を無理やりねじ込んでマシンの歯車部分を壊してしまって以来、私自身はこの「ラーメン自作」業界(そんなものがあるのかはさておき)から遠ざかってしまっていた。
また、自作ラーメンに没頭していたあの頃、インターネットは既にあったが、現在のようにSNSを通じて交流に比べれば、まだまだ情報の流通量は少なく、だからこそhtml形式のウェブサイト(私の場合は今は亡きYahoo!Geocities)で自分の自作記録を世に上げていたものだった。しかし、そのことが発端で、自作を趣味とする人たちのとつながりはものすごく広がり、今でもそのつながりが絶えない人は多い。 
で、思った。
やっぱり、鋳物製の家庭用製麺機を手に入れよう、と。
ところが、あの手の手回し式製麺機って、実はホンモノにお目にかかったことがまだ、ない。さらに調べて、だんだん分かって来たことに、昭和20年代から40年代あたりにかけて造られた家庭用の手回し製麺機って、そのほとんどが群馬県周辺の麺文化において栄えたものだそうで、アッチの方に行けば、田舎のおばあちゃんチなんかには、置いてあるのが普通のものだったらしい。生まれてからずっと、関西というか、京都で育った自分が見たことがないのは、ああ、そういうことなんだな、と。
とにかく、探してみよう。某連ドラのせいでか「小野式」は相場が非常に高いそうだけど...。
というわけで、たけあきさん、今回(も)、まことにありがとうございました! 
 
 
FACE BOOK 公開グループ
「自作ラーメン研究会」
 
 

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