新宿 めんや 風花@下京区高辻東洞院東入三軒町:天然塩ラーメン

新宿 めんや 風花
2001年8月に開店した塩ラーメン専門店。塩ラーメン専門店としては京都初なのだそうだ。

ちゃーしゅーめん、餅の入ったちかららーめん等のバリエーションはあるが、基本のスープは塩味一本。食したのは「天然塩ラーメン(600円)」。メニューには帆立塩らーめんというのもあって、今回、この帆立は食べなかったが大いに気になるところだ。
味にこだわりを持つラーメン屋さんの場合、水にもやはりこだわりを持つものだ。風花ももちろん、流しのところと、寸胴の脇にある蛇口には大きな浄水器が取り付けられていた。出されたお冷やも心なしかうまく感じた。

そんな水を使い、豚骨、鶏ガラをメインとしてとったここのスープは、海系和風の味わいが元ダレにのみか、メインスープにも煮込まれているのか、はたまたその両方なのか、判らないところ。ラーメン本やあちこちのサイトのレビューから想像するに、さぞかしあっさりと繊細な味かと思いきや、表面に結構多く浮かぶ鶏油と相まって、透き通った見た目ながらしっかりと奥行きのある深い味わい。旨味そのものが非常に濃厚に感じる。
天下一品や名門・悟空のような濁った高粘度の濃さをあらわす意味としての「こってり」とはまたちがう「こってり」さ。東海林さだお氏が氏のエッセイ中に用いている「こってり」とは、おそらくこういう味わいを指しているのではないかと思う。
ここのラーメンは沖縄・石垣島の2種類の天然塩を混合し、 海産物6種類をベースにした和風ラーメンだという。そして、石垣島の天然塩はとても粒子が細かくてパウダー状なのだそうだ。さらにその塩から独自の方法で塩だれを作ることによって、塩・麺・スープを一体化させることに成功したと書いてある。石垣島ではないが、すぐ近くの宮古島の塩が我が家にある。顆粒状に加工されているが元の粒子はそうように細かいものだろう。また、先日来愛用していた天外天塩も、これが塩とは思えないほどサラサラした粉だった。
ともあれ、石垣島の塩で作った「秘伝の塩だれ」は風花のポイントということらしい。

塩だれとは面白いもので、調合してからしばらくおくと、まろやかな味になるような気がする。科学的検証はなく、やってみた記憶としてそう思うというだけの、私の曖昧な感覚でいっているのだが、確かに、液体に溶かしたばかりの塩ダレと、何日か寝かせた塩だれとではその味わいは違うような気がする。テーブルには「沖縄のミネラルをいっぱい含んだ天然塩だれをお好みで入れて下さい」と、この塩ダレが置いてあるので、少しラーメンスープに追加して味わってみたが、なるほど塩の尖った感じのない、ある意味、想像していたとおりの柔らかな味わいだった。
ところで、 このスープに絡む麺は太麺・細麺が選べることになっているらしいが、私はそのことをすっかり忘れて、ただ「天然塩ラーメン」とだけ言ってオーダーしたので、恥ずかしい話だが自分が食べた麺がこのお店の細麺なのか、太麺なのかが分かっていない。どちらも北海道から取り寄せている多加水麺ということで、塩は沖縄、麺は北海道と、日本の北と南を結んだようなラーメンではある。ただ、お店に太麺・細麺がチョイスできるということはどこにも書いてなく、また、どっちにするかを聞かれることもなかったので、もしかしたら麺はどちらか一本に統一されたのかもしれない。
そして多彩な具について。
チャーシューはバラ肉ロール。柔らかく仕上がっていて、スープとの相性も申し分なく旨い。
ネギは京都では珍しく白ネギを使っていて、私の目にはそれが新鮮に映る。メンマと、油炒め?湯通し?したほうれん草も良いアクセント。煮玉子は黄身までしっかり熱のとおった固ゆでで、欲を言えば半熟のとろっとしたやつの方が好みだな。海苔はやはりラーメンの具として、あった方が嬉しい。
また、ラーメンの具としては珍しいしかも大ぶりの麩が乗るが、これもなるほど、スープを吸って食べ応えある具として成功している。全体のバランスを崩さない程度量に盛られたバラエティ豊かな具は一杯のラーメンを食べる中にいろんな楽しみがあっていいものだ。数こそ少ないが、このところ食べ歩いた中で、海系和風出汁をアレンジした具沢山な透明塩ラーメンといえば、他にぴっかり食堂、天下ご麺が記憶に新しいが、その中でも風花は一番どっしりして濃厚なタイプだと思った。
(2003.5.31)
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