中華そば専門 珍遊 京都一乗寺本店@左京区一乗寺払殿町:半チャン定食

ここのところすっかりご無沙汰しているオールドスタイルの京都ラーメンを食べてみようと赴いてみた。実は初訪である。
考えて見れば、一乗寺にはいろんなラーメン店がある中で、「濃厚鶏ガラダシの背脂醤油スープ&麺は低加水気味細めのストレート」のクラシカルなスタイルを貫いている店といえば、実はココだけじゃないだろうか。(もちろん近くにある天天有も古典的な京都ラーメンだが、現時点でのWikipediaにおいては、京都ラーメンのスープを大きく3つの系統に分け、珍遊のようなスープを「背脂醤油」、天天有のようなスープを「こってり系」としている。)

いろいろと調べてみると、定かなこととは断言できないが、叡電の修学院駅~一乗寺駅間にある踏切のそばで年老いた夫婦が営んでいたお店のラーメン作りと店名を受け継いだ...という歴史があるようである。
(ところで、どうでもいいことかも知れないが、こうやって道の向こうから撮ってみると、昔、お店の前にあった電話ボックスが無くなっていることに気づいた。)

さらに、最近は経営者が変わったようで、店先の赤いテント屋根から小さな提灯がいくつもぶら下がっていた当時の雰囲気や、商品の方向性が数年前とは若干変わってきているようである。(そのあたり、自分がかつて食べた経験に基づいた書き方ができないのが少々残念である。全く、後悔先に立たずだ。)ともあれ、今の店頭に書かれている「創業半世紀」のなかにはいろんな紆余曲折があったようだ。

この日現在のメニュー表。スープはメニューでいう「鶏白湯背脂」一本のみ。以前に、珍遊の場合は「背脂」ならぬ「腹脂」が使われている...と、なにかの本で読んだ記憶がある。が、スープに浮かべてしまえば、背脂も腹脂も大して違いはないと思う。(これについては、その昔に実験したことがある)...いや、味覚の鋭い人には分かるのかも知れないが、私はそこまで鋭敏な感覚を持ちあわせてはいない。
ひとしきりメニューを眺めた後、半チャン定食(中華そば並+焼き飯小)を注文。

まず先に、中華そば(並)が来る。

ほどなくして焼き飯(小)も到着。

クラシカルな京都ラーメンの例によって、麺の硬さやネギ、背脂の量等をお客の好みでリクエストすることができるが、今回は敢えて何もかもを「ふつう」で注文した。(...いや、実はお好みオーダーするのを忘れていただけである。)
スープは見た目通りに濃厚にダシが出ている。が、「こってり」というには粘度はなくさらっとした飲み口の、まさに京都の古典的な背脂醤油のソレ。やはり、たっぷりの青ネギで食べてみたくなる味。

この手の背脂醤油のスープによくありがちな一味は最初からは入っていなかった。テーブル上にはその一味をはじめ、ラーメンの醤油ダレ、(本来は餃子用だろうが)ラー油、酢が自由に使えるようになっているので、好みでいくらでも足すことが出来る。(今回、私な何も足さなかったが)

麺は細めのストレート。古典的な京都ラーメンの典型。現在は麺屋棣鄂の麺を採用している。最初は少し固めで、食べ終わるころには若干のび気味になるところはこの手の麺の常。その気になれば細麺でもカッチリとした硬さが続く「強い麺」も、技術的にはある程度可能ではあるのだろうが、珍遊のような長い歴史のあるラーメンの場合、「変わらないこと」も大切な要素であろう。低加水ならではのサックリした感触をこのサイズの細さで実現しようとすればこうなる、というところだろうか。

チャーハンの方はネギ、玉子、豚肉(チャーシュー)が程良く絡まっている。ちょっとコショウ辛かったかな?
なんにしても、「一乗寺で、オーソドックスな京都の背脂醤油を味わう」なら、ココだろう。遠くからお越しの方には、この冬、京都観光の計画に加えてみるのも悪くないかも。
ガイドブック的には「高安」が独り勝ち的人気だが、逆に行列が長いことが多いので、時間を有効に使うという点でも珍遊はいい選択になると思う。
ただし、古典的な京都ラーメンじゃなく、より個性的な一杯が食べたい場合はこの限りではない。周囲には他に面白いお店はたくさんある。
蛇足ながら、コチラにちょっと興味深いデザインコンペティションの結果発表があるのを見つけた。ココに書かれていることよく読んでみると、現在の珍遊本店のコンセプトが理解できる気がする。



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【中華そば専門 珍遊 京都一乗寺本店】
お店HP
11:00~0:00
月曜日定休(祝日の場合は営業)
075-702-2944
京都市左京区一乗寺払殿町24

珍遊 本店ラーメン / 一乗寺駅茶山駅修学院駅
昼総合点★★★☆☆ 3.5

コメント ( 1 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
旧所在地について (ウエダミツタカ)
2025-03-11 08:57:51
(自分のURLがありません、すみません)
お店の旧所在地分析ありがとうございます。
文中の「叡電の修学院駅~一乗寺駅間にある踏切のそばで年老いた夫婦が営んでいたお店」には、
極めて近くに住んでいたこともあり、さんざん通いました。
スープは透明感があるのですが茶色っぽくてギットギト。麺は少し細目かな。生卵がよく合うの
ですが、脂がからんでこちらもギットギトです。ネギは普通でも大盛でした。
お昼くらいしかお店が開いておらず、学生だった私は午前の授業が終わると急いで店に走ったも
のです。
好き嫌いもあるでしょうし、時代によって味は変わっていくものでしょうが、今のお店とは全く
違うラーメンでした。死ぬまでにもう一度巡り合いたいです。記事ありがとうございました。
 
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