「味の名門」インスパイア鶏白湯ラーメン@イエ

今年になって「2021年初春を寿ぐ鶏そばセット」「アキラインスな普通の醤油ラーメン」「なんちゃって『幻の中華そば(まぼちゅ〜)』と、自作するラーメンには何らかのテーマ性を持つようにしているところだが、今回はいよいよ自分がラーメンにハマることになった原点を再現してみようと思い立った。結論からいえば、自分が思い描いていたようなスープにはならなかった失敗作だったが、やってみることで経験的なデータを取ることは出来た気がしている。

【メンマ】
ラーメン自作のスタートはやはりメンマの仕込みから始まる。前回と同様に塩蔵短冊メンマの塩出しから始める。結果的には想定以上に柔らかく仕上がってしまった前回の課題を踏まえ、表面の塩を洗ってから、1回目のセット時に水から煮出さず、「湯が完全沸騰してから」塩を落としたメンマを湯に入れた。
そして、1回目のセットの後、まだ若干塩分が残っている状態でカット。
この状態で、2回目のセットは水から煮出した。結果、前回の仕上がりよりも食感的には向上。
味付けについて、前回は強めになってしまったので、今回はなるべく薄味を目指す。おろし生姜にリケン素材力だし本かつおだしを加えたところに醤油&味醂を控えめに適量加え一煮立ちさせたところを炒め煮。
メンマ本来の食感と味わいを出そうとして、敢えて超薄味仕立てにしてみた。仮に「メンマラーメン」を想定した場合、薄味で食感至上主義の方が、寮がこなせる筈。その時イメージしていたのはかつての弦乃月のメンマそば。(アレ、美味かったよなぁ…)しかし、今回のテーマにしている「味の名門」は、メンマにこだわりのあるラーメンではない、と、思う…。

【製麺】
永井式製麺機をレストアして実用化したのち、何度か製麺作業する中で手回しでの水回しにも習熟してきたところであるが、より時短を求めたい。そのため、ついにフードプロセッサを新規購入。このモデル、うどん生地を「こねる」機能もあるらしいが、実際にどのように動くのかは、とにかくやってみないことにはわからない。
で、結局「こねる」用のアタッチメントは使わず、通常の二枚刃カッター装着状態で操作を試みる。
加水は3回に分けて行ってみた。水回しの作業は、まさに瞬殺。こりゃ便利だわ。(ただし、使った後に洗う手間はどうしても生じるけど)
トップバリュー強力粉1300gを加水率35%、ボーメ度4で希釈かん水455ccとし、フードプロセッサの容量の関係で一度に全部は出来ないので、強力粉の目方で言えば500g×2回、300gで1回セットした。
そうやって水回しした状態をひとまとめにして、
軽く踏み込んでまとめる。あ、袋が一部破れてしもうた。
ほどほどに固まったところを包丁で切り出し、
手回し製麺機で大まかな麺帯を形成。
ある程度のところまで圧延していく。この際、生地を重ねて複合圧延する。
さらにパスタマシンで圧延。
麺帯の端っこがひびだらけになってしもうた。この時点で腹が減ってきたので京都伏見の大河にうどんを食べに行った。
で、帰ってきてから1.5mm幅の切刃を通す。ラーメン用の標準的な細麺を作るならこの切刃だが、ぼちぼち他の幅の切刃も試してみたい。
で、概ね一玉130g程度とし、
12玉を製麺。途中でいろいろ失敗していなかったら、もう一玉ぐらいは出来たかも。
【タレ・チャーシュー】
醤油ダレを作るわけだが、醤油を入れる前に酒・味醂を一旦煮切ってアルコールを飛ばす。
その後醤油・塩を適量入れて再び煮切ってみた。が、別に煮切らないでも良かったか?
今回、チャーシューはなるべくヲヲメを狙い、カナダ産豚バラが安かった時に買って冷凍保存しておいた物を解凍。
煮込み中のスープ(後出)に投入し60分弱火で加熱。
60分後、スープから取り出してある程度冷めたところでフリーザバッグに入れ、
フリーザーバッグに醤油ダレを入れ、真空パックし、一昼夜冷蔵庫へ。

【スープ】
今回、滋賀県高島市の橋本かしわ店で鶏5羽分のモミジ・胴ガラ・足の骨ガラをゲット。コレらのうちから鶏ガラ2羽分と足の骨ガラ、モミジ全部をいったん沸騰した湯にサッと通して下茹でし、モミジの爪を切る。
書いていいのかな?コレら全部でたったの100円だった。後から分かったことに、「幻の中華そば加藤屋」が大津市内に移転してくる前の高島町での屋台時代には、ここの鶏ガラを使っていたそうな。
下茹でした後、圧力鍋に注水し、水から煮て行き、90分加圧。あ、画像にはないけど豚脂身も適量追加した。
加圧後の状態。
さらに鶏ガラ3羽分を追加し、さらに60分加圧。いっぺんにやってしまいたいけど、鍋に入りきらないので仕方なしに分けてやることにした。この加圧後、寸胴に移して強火でボコボコ炊いてすりこぎで撹拌しもって、白濁化させた。
かなり煮込んだ後、一旦漉して骨の部分と軟骨や肉の部分を分ける。
そして、軟骨・肉片部分をフードプロセッサに入れ、煮込み中のスープを少々加えて砕いてみた。
結果、フードプロセッサの方は、麺屋極鶏のスープみたいなドロドロコテコテ状態。だが、小骨もかなり含んでいるのでそのまま使うことはできそうにない。これらを再び寸胴に入れ、さらに煮詰める。ここいらあたりからは鍋底の焦付きに細心の注意を払う。

【ニラ漬け】
今回、味変アイテムにニラ漬けを付けてみることにした。
よく洗って適当なサイズに切った後、
フリーザーバッグにごま油、コチュジャン、醤油、酢、ニンニク、チューブ生姜適量加え、軽く揉んで冷蔵庫で一晩。できればコチュジャンではなくヤンニンジャンを使いたかったが、今回手に入らなかった。(近くのスーパーにはコチュジャンならあるけど、ヤンニンジャンって、売ってないようだ)

【ネギ】
今回は拘って京都府産九条ネギを使用。(たまたまスーパーで見つけた)

【試食】
完成図1。今回の麺は茹で時間2分を目安とした。
完成図2。メンマの食感は上々ながら、薄味にすぎた。チャーシューは包丁でなるべく薄めにスライス。ほぼ狙い通りの出来。
完成図3−1。スープと麺。
完成図3−2。鶏白湯ラーメンとしてはかなり濃厚なものが出来た。が、当初狙いとした、記憶にある「味の名門」の、食べている途中から口の周りがカピカピになるほどのコラーゲン分タップリ感を再現するには至らなかった。今回、やってみて分かったことに、名門インスを究めるなら、鶏には胴ガラでなく、モミジと鶏頭もしくは鶏皮に材料を絞り込んで、豚脂と共に作ることだ。そういえば、小学生の頃に見た山科西野の「東洋」の寸胴にはモミジと鶏頭がわんさと詰め込まれていたものだ。(残念ながら、当時の画像は、ない。)
麺も、「味の名門」で味わう中金製麺の麺と比べてずいぶん違う。あの低加水で、ともすればヤワになりがちな麺は、なかなか作れそうにない。
そんなわけで、名門インスパイアを目指したが、よりそれっぽくするにはまだまだだが、濃厚鶏白湯ラーメンとしては、ある程度の物にはなったかな。
今回も試食キットを作り、複数の方にモニター試食していただいた。召し上がっていただいたラーメンの制作過程は、以上の通りでした。
(今後、自作ラーメンの記事はもうちょっとスリムにしていこうと思います。)



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