ラーメン食堂 麺ごころ@宇治市三室戸:ラーメン&白ごはん小

かねてから気になっていた宇治・三室戸の新店。かつて「もやしラーメン飛龍」があった物件におよそ一月ほど前、新規オープンしたお店。京阪宇治線三室戸駅向かい、あの担々麺の名店「三国志」の並びで、クルマで行くなら線路向こうのコインパーキングがこの日現在、終日60分100円で便利。
ノレンはよくある出来合いのものでなく、きちんとお店オリジナルのデザインを施したもの。こういうあたりにも、お店の意気込みは何気にあらわれるもののような気がする。
写真付きではないけれど、丁寧な手書きメニューで、お店に入ればどういうものが食べられるかをきちんとお店の外に示してある。またゴハンとドリンクは「セミセルフ」も合わせて示している。
店内に入ると券売機。ラーメンの種類は一種のみ。非常にシンプル。「アイスクリン」がユニークだけど。
店内、女性スタッフがワンオペ。この女性の方がおそらくは店主さんだと思う。確認したわけではないが、お店の内外で目に触れるあらゆる掲示物等ひとつひとつは、それぞれ高い女子力を感じさせる。店主ががさついオトコであれば、壁面のメッセージをコスモス風の花で飾り立てたりは、まあ、しないだろうて。
初訪の今回、シンプルにラーメンと白ごはん小を注文。
セミセルフのごはんは、テーブルワゴンのお茶碗に、保温ジャーのゴハンをじぶんでよそうシステム。器のサイズが決めてはあるが、小であってもその気になれば思いっきりマンガ盛りにして量を稼ぐことができるかも…だけど、そういうセコいことは、仮に考えついたとしても実行に移さないほうが良かろう(笑
で、ワタシは、これくらいにしておいた。自分で食べて、丁度いい程度。
出来上がったラーメンは、それぞれトレーに置いて提供してくださる。丁寧さを感じる。こういうところもお店としてのスタンス。
お箸やレンゲのたぐいは、箸立てにまとめて置かれている。手に触れる部分をきちんと上にしてセットしてある。これ、なんでもないようなことではあるけれど、大事なこと。
以前に、あるお店で、同じように箸置きがセットしてあるのだが、お箸もレンゲも、先端の方を上向きにして置いてあるのに閉口したことがあった。(そのお店、味わい的にはナカナカのものだったが、一度訪れて以降、足が向かず、だからというわけでは無いだろうが、近々お店をたたむそうだと聞いている。)
さておき、ラーメンだ。一言でいうと、典型的な京都ヴィンテージ鶏ガラ背脂醤油で「ますたに」「ほそかわ」あたりがルーツの系統。九条ネギがよく似合うやつ。
そんなだから、麺はそれ自体が主張を持つものではなく、すこしヤワめの食感。美点に感じたのはスープのまろやかな味わい。背脂の存在感もあろうが、それだけではない。ベースのところでよーくダシが効いており、この手のスープには意外なほどのテロンとした粘度感さえあって、かつ化調を多用したスープにありがちな食後にいつまでも残る後味のネガティブさもなく、かなりキチンと作られたスープだと感じた。
で、食べ終わって、厨房でワンオペの女性店主(?)に尋ねると、このお店を立ち上げるまでに、飲食業の経験はあるが、ラーメン店は今回が初めてだとのこと。つまり、いただいた鶏ガラ背脂醤油ラーメンは、独学ということになるのだろうか?
そして、ワタシが座ったカウンター席目の前に飾ってある祝いの一升瓶の名義は、画像の通りだった。この画像から伺えるように、店内完全禁煙であることもありがたい。土日祝は定休で、月〜金の昼営業だけ、と、あっぱれ屋以上に営業時間的ハードルは高いが、個人店主の手仕事による京都ヴィンテージ鶏ガラ背脂醤油ラーメンは京都府南部(=宇治市以南)において貴重な存在ではあるまいか。「もやしラーメン飛龍」がそうだったように、テナント的には難しい物件かもしれないが、どうか地域に定着していただきたいものだ。

ラーメン食堂 麺ごころラーメン / 三室戸駅宇治駅(京阪)
昼総合点★★★★ 4.0

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