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長崎屋食堂@大津市長等3丁目:中華そば
おっ、今日はやってる。
日曜日に前を通った時、いつもは営業していないこのお店。
久しぶりにノレンが出ているのを見た。この機会に行ってみることにした。
店内、無人。ゴメンクダサーイと何度か繰り返してみると、奥の方から女将さんが「はい、いらっしゃい」と登場。なんだか袖で待ち構えていた役者さんが舞台に登場するようなあらわれかた。で、「あー、ソコ座っといてー、いまお茶沸かすわぁー...お茶、どこやったかなぁ....」と厨房をガサゴソ。
しばらくして、お湯を入れたポットと急須を厨房の配膳口に用意してくださった。
「あとは自分でやりますね」と申し出てセルフで席に運んだ。
店内の壁一面にはお品書きの短冊が掲げられているが、今できるものは限られているという。とりあえず、食べてみたかった「中華そば」 を頼んでみると、「中華そば?ああ、中華そばならできますよ。五目そばとかはもうやってへんねん。あ、それから中華そばは450円て書いてるけど500円いただきますけどよろしいか?」とおっしゃるので頷く。なんでも、このお品書きの短冊も価格改訂にともない書き換えるべきなんだけど、昔これを書いて作ってくれた方がもうお亡くなりになってて、変えようにも変えられないのだそうな。
店内には、かつて常連さんだったどこかの大学の先生が何かのイベントでこのお店を紹介された時の掲示物が飾ってある。
「えーと、ニンジンどこやったかなぁ?」とかいいながら、私が注文した中華そばを作ってくださる間、ひとしきり女将さんの昔語りにおつきあいすることになる。
「昔は主人と一緒にやっていたが、おとーさんは49歳で亡くなった」
「私がここに嫁いで来た時にはもうお店はあったから今年で79年目になる」
「昔は近くに会社があって、それはそれは忙しく、また出前が多かった」
「もうそろそろお店たたもうかと思てんねんけど、子供が辞めたらアカンっていうし、とにかく開けてんねん」
「むかしはな、テーブル全部お好み焼きができるやつにしてたこともあってん」
「うちのカレーはな、京都の福島鰹さんのやねん。あ、中華そばのスープも福島鰹さんとこからもうてんねん」(福島鰹という会社の存在を、僕が最初から知っている前提で話をなさっていた)
「こないだチャーシューのタレを作り直してな。お客さんがこの新しいタレのチャ−シューで食べてもらう今年の第1号やわ!あははぁ〜!」(マジか)
etc,etc....
とにかく、このお店では注文したものが出来上がってくる間(と、食べている間も)、女将さんのお話にはお付き合いするべきのようである。
やがて完成した中華そば。「も、もっていってもらえますか...」とおっしゃるので、配膳口のところでお盆を借りて自分で運ぶことにした。
昔懐かしい感じで、ちょっと甘みのあるスープ。チャーシューはヤキブタティックな食感、タレの味じんわり。中華そばにニンジンが入るのは珍しいと思うが、女将さんにとってはこれが標準なのだろう。麺は太めの茹で麺。
確かめたところでは、日曜祝日は休業で、土曜日はやることにしているらしい。
(ちなみに、三重県津市の長崎屋とは完全に無関係のお店であると思われる。確かめたわけではないけど。)
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