ハードバピッシュ&アレグロな日々

CD(主にジャズ・クラシック)の感想を書き留めます

ヒューバート・ローズ/ザ・ローズ・オヴ・ジャズ

2012-10-01 08:30:15 | ジャズ(モード~新主流派)

本日もアトランティックの名盤コレクションから、フルート奏者ヒューバート・ローズが1964年に残した記念すべき初リーダー作「ザ・ローズ・オヴ・ジャズ」を取り上げます。ローズと言えばハービー・マンと並ぶジャズ・フルートの第一人者ですが、50年代からプレイするマンとは違って70年代以降のフュージョンシーンで活躍したイメージが強いため、私のような保守的ジャズファンには正直あまり馴染みがありませんでした。ただ、このデビュー作はチック・コリアのピアノを大きくフィーチャーしたオーソドックスなジャズ・アルバムとなっています。他のメンバーはベースがリチャード・デイヴィス、ドラムは曲によってボビー・トーマスとジミー・コブが分担しています。



収録は全7曲。うち冒頭“Miss Thing”を含めた3曲がジャズロック調のキャッチーなナンバー、残りの4曲がストレートアヘッドなジャズとなっています。私の好みはもちろん後者ですね。コリアの美しいピアノソロが挟まれるバラード“All Soul”、重厚なビートをバックに意外と骨太なフルートを聴かせる“Bessie's Blues”、コリアのピアノに煽られるようにローズが情熱的に躍動する“Bimbi Blue”、哀愁漂うメロディが印象的な“Capers”とどれも名演揃い。正直もっと軽めの演奏と思っていた私の予想を良い意味で裏切ってくれました。ローズも共演のチック・コリアもこの後フュージョン路線へと突き進んでいくわけですが、やっぱりこの頃の溌剌とした演奏がいいなあ。

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