ハードバピッシュ&アレグロな日々

CD(主にジャズ・クラシック)の感想を書き留めます

J・R・モンテローズ・イン・アクション

2012-10-04 23:41:40 | ジャズ(ハードバップ)

本日から何回か続けてマイナーレーベルの作品を紹介したいとます。第一弾は通好みのテナー奏者J・R・モンテローズが1964年に録音した「J・R・モンテローズ・イン・アクション」です。J・Rと言えば録音数こそ決して多くはないものの、天下のブルーノートにリーダー作「J・R・モンテローズ」を残しているおかげで、わりとポピュラーな存在といえるでしょう。もう1枚、ジャロというマイナーレーベルに残した「ザ・メッセージ」も隠れ名盤として名高いですね。ただ、今日取り上げる「イン・アクション」はイリノイ州のロックアイランドという地方都市にあった「スタジオ4」と言う超マイナーレーベルから発売された作品で、当時J・Rが出演するナイトクラブで手売りするためプレスされたレコードだとか。幻の名盤もここに極まれりという感じですが、そんなレコードをCDで再発売する日本のレコード会社の物好きぶりにもただ感服するばかりです。まあ、それを買う私のようなマニアがいるから商売が成り立つんでしょうが・・・

サポートメンバーがまた無名揃い。デイル・オーラー(ピアノ)、ゲイリー・アレン(ベース)、ジョー・アボディーリー(ドラム)と言われても「誰じゃいそれ?」ですよね。何でもJ・Rが拠点にしていたアイオワ州の片田舎で活躍していたミュージシャンらしいので知らなくて当然ですよね。ブルーノート盤ではホレス・シルヴァー、ジャロ盤でもトミー・フラナガンと共演していただけに、メンバーの格落ち感も半端じゃないです。ただ、そんな不安要素は冒頭“Waltz For Clare”を聴いた瞬間に吹き飛びます。J・Rの自作曲でもある名バラードで、ここでの力強さと美しさを兼ね備えたテナーソロは全てのジャズファンを虜にすること間違いなしでしょう。ラストのこれまた自作曲“Herky Hawks”も素晴らしい。こちらはアップテンポの曲で、J・Rのハードドライヴィングなソロで見事に締めくくります。正直この2曲だけで買う価値アリですが、他もスタンダードのバラード“I Should Care”、自作曲の“Red Devil”と聴き応えのある内容。バックのトリオの演奏も特筆すべきものこそないものの、オーラーもピアノソロを無難にこなしており、J・Rのテナーをきちんとサポートしています。ジャケットのデザインも秀逸なこれぞ幻の名盤ですね。

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