先日ジョン・ルイスとサシャ・ディステル、バルネ・ウィランとの共演盤を紹介しましたが、ジャズ黄金期にはアメリカから多くのミュージシャンがヨーロッパに渡って活動しました。その多くは一時的なツアーでしたが、中には完全に移住してしまった人達もいます。バド・パウエル、デクスター・ゴードンらが有名ですが、今日紹介するケニー・クラークもその代表格でしょう。彼はバップ・ドラムの開祖と呼ばれ、アメリカのジャズ界でも重鎮的な存在でしたが、黒人差別の根強い本国に見切りをつけたのか56年にさっさとパリに定住してしまいます。その後の彼は現地のミュージシャンと積極的に演奏活動を行った後、1961年にベルギー人のフランシー・ボランと組んでジャズ史に名高い「クラーク=ボラン・ビッグバンド」を結成。本作はアトランティックに録音された記念すべき第1作目です。
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メンバーは計13人。各国のトッププレイヤーが集まっており、さながらジャズのヨーロッパ選手権と言った趣です。ざっと国別に紹介してみましょう。ジャケットの国旗の左上からオーストリア代表カール・ドレヴォ(テナー)、ベルギー代表フランシー・ボラン(ピアノ)、イギリス代表ジミー・デューカー(トランペット)&デレク・ハンブル(アルト)、フランス代表ロジェ・ゲラン(トランペット)、スウェーデン代表オーケ・パーション(トロンボーン)、トルコ代表アフメド・ムバファクファライ(トランペット)、そしてアメリカからもケニー・クラーク(ドラム)、ベニー・ベイリー(トランペット)、ナット・ペック(トロンボーン)、ズート・シムズ(テナー)、サヒブ・シハブ(バリトン)、ジミー・ウッド(ベース)が参加しています。
曲は全7曲。誰か特定のミュージシャンにスポットライトが当たるのではなく、各人に少しずつソロの機会が与えられる形式を取っています。基本的にはこれぞビッグバンドと言った感じの華々しいホーンセクションが繰り広げられるアップテンポのナンバーが中心ですが、個人的お薦めは2曲だけ収録されているバラード。“Gloria”はカール・ドレヴォの独壇場で、そのダンディズム薫るテナーに心を奪われます。“Volutes”はゆったりしたホーンアンサンブルが幻想的なムードを盛り上げる中、前半はボランのピアノ、後半をナット・ペックのトロンボーンがソロを取ります。それ以外では最後を飾る“Last Train From Overbrook”がいいですね。キレのいいブラスをバックにベイリー、シハブ、ドレヴォ、シムズが軽快にソロを交換して作品を締めくくります。
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メンバーは計13人。各国のトッププレイヤーが集まっており、さながらジャズのヨーロッパ選手権と言った趣です。ざっと国別に紹介してみましょう。ジャケットの国旗の左上からオーストリア代表カール・ドレヴォ(テナー)、ベルギー代表フランシー・ボラン(ピアノ)、イギリス代表ジミー・デューカー(トランペット)&デレク・ハンブル(アルト)、フランス代表ロジェ・ゲラン(トランペット)、スウェーデン代表オーケ・パーション(トロンボーン)、トルコ代表アフメド・ムバファクファライ(トランペット)、そしてアメリカからもケニー・クラーク(ドラム)、ベニー・ベイリー(トランペット)、ナット・ペック(トロンボーン)、ズート・シムズ(テナー)、サヒブ・シハブ(バリトン)、ジミー・ウッド(ベース)が参加しています。
曲は全7曲。誰か特定のミュージシャンにスポットライトが当たるのではなく、各人に少しずつソロの機会が与えられる形式を取っています。基本的にはこれぞビッグバンドと言った感じの華々しいホーンセクションが繰り広げられるアップテンポのナンバーが中心ですが、個人的お薦めは2曲だけ収録されているバラード。“Gloria”はカール・ドレヴォの独壇場で、そのダンディズム薫るテナーに心を奪われます。“Volutes”はゆったりしたホーンアンサンブルが幻想的なムードを盛り上げる中、前半はボランのピアノ、後半をナット・ペックのトロンボーンがソロを取ります。それ以外では最後を飾る“Last Train From Overbrook”がいいですね。キレのいいブラスをバックにベイリー、シハブ、ドレヴォ、シムズが軽快にソロを交換して作品を締めくくります。